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巨大メディアに成長する企業サイト

» 2006年09月08日 16時07分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 企業のWebサイトが着実にアクセスを伸ばしており、月間100万ユニークユーザー(UU)を越えるサイトも出始めている。「企業サイトが“メガメディア”になりつつある」――ネットレイティングスの萩原雅之社長は、Web広告研究会が9月7日に開いたフォーラムで、企業・個人が発信したメディアが集客力を高めている現状を説明した。

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 同社の調査によると、トヨタ自動車や本田技研工業、日産自動車といった自動車メーカー、ソニーや松下電器産業、東芝といった電器メーカーのほか、サントリー、キリン、味の素といった食品メーカーのWebサイトも、月100万UU以上のアクセスを集めているという。

 各社とも、充実した商品紹介を掲載したり、消費者から意見やアイデアを募集する掲示板を掲載するなど、単なる企業紹介にとどまないコンテンツで集客に工夫を凝らしている。荻原社長は「自社サイト内で消費者とのコミュニケーションを実現している」と語り、今後もこの傾向は続くと予測する。

 企業サイトだけでなく、有名人の個人サイトも大きなメディアになりつつある。有名人が、自身に関する発表を個人サイトやブログで行うことも一般化しており、元サッカー日本代表・中田英寿選手は、引退発表文を個人サイト「nakata.net」で最初に公開。公開した月の月間ユニークユーザー数は162.5万に達した。

 個人サイトではないが、首相官邸のWebサイトは、2001年の小泉首相メールマガジン発行をきっかけにページビューを数倍に伸ばした。「メールマガジンが定期的なアクセスに確実に結びついている」と荻原社長は評価する。

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 ブログやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)など、一般個人が情報発信するメディアもボリュームを増している。「個人が発信するネットメディアは、従来のマスメディアとは異なる方向で成長していくだろう」――荻原社長はこんな見方を示した。

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