コラム
» 2006年09月14日 08時53分 UPDATE

Vistaにアップグレード「したくない」理由 (1/2)

Windows Vistaへの抵抗は、変化に対する形のない恐怖によるものではない。古いソフトとの互換性を懸念し、自分のデータやビジネスに及ぶかもしれない損害を計算した結果なのだ。

[David Morgenstern,eWEEK]
eWEEK

 Windows Vista狂信者がバラ色の展望を唱えているにもかかわらず、Vistaの互換状況は良く言ってもあやふやだ。Microsoftの次世代OSが旧世代のデータやアプリケーションにどのように対応するのかは、IT管理者の移行チェックリストの上の方に載せられているに違いないというのに。

 一方で業界のベテランからは、本当にそんな状況でVistaを導入しなければならないのかと問う声も上がっている。彼らは、顧客が立ち上がって、もうこんなことは受け入れないと怒鳴り出す日が来るかもしれないと予測している。

 最近のコラムで、わたしはApple ComputerのMac OS Xの立ち上げとMicrosoftのVistaの計画の違いを取り上げた(9月4日の記事参照)。OS Xの価格戦略はWindowsとは大きく異なっているが、もっと目を引くのはその背景にあるコンセプトだった。

 顧客のワークフローを維持し、移行への安心感を持たせるために、Appleは新しいOS Xを旧版のMac OS 9と一緒に出荷した。OS Xと旧版ソフト用のエミュレーション環境でワークフローを進めるかどうかはユーザーが決められた。その環境を選ばない場合は、Mac OS 9をブートすることができた。この選択肢は、OS X v1.0の最初のリリースから1年半以上の間提供された。

 ほとんどの読者からは、Vistaへの移行は時間をかけて行う――かなりの人が何らかの形で「忘れる」ことを提案した――という意見が寄せられたが、移行計画に取り掛かるべきだと主張する人もいた。

 「Vistaには古いアプリケーション向けの互換モードがある(XPにもあったが、Vistaの方がずっと出来がいい)」と読者のパトリック・チェファロ氏は話している。「β版でアプリの実行に問題が生じた場合、Vistaはその旨を通知し、そのアプリを互換モードで実行し直すかどうかを尋ねる。それでうまくいくなら、そのアプリを互換モードのアプリリストに永久に加えるかどうかを尋ねる。このリストはチェックに利用できる」

 さらにチェファロ氏は、移行支援のためにVista UltimateエディションにVirtual PC 2007がバンドルされる点も指摘した。「Microsoftは現在、Virtual PCを無償提供している。ユーザーは(十分なRAMとプロセッサのリソースがあれば)Windows 2000やWindows 98をVistaマシンやXPマシンでゲストOSとしてホスティングできる」

 この仮想化のアプローチはVistaコミュニティーでホットな話題になっている。例えば最近のMSTechToday.comへの投稿では、Vistaテスターのブランドン・レブランク氏が、Windowsでのデュアルブートや最新β版でのVirtual PC 2004の実行について話している。

 もちろん、実際のワークフローにおいてこうした互換レイヤーや仮想化ソリューションがどれほどのパフォーマンスを発揮するかはまだ不明だ。わたしたちがWindows XP SP2への移行の際に気付いたように、現実と誇大宣伝は相容れないことがある。チェファロ氏の言う「うまくいくなら」と、「うまくいく」の間には(2文字分ではあるが)大きな違いがあるのだ。

 MicrosoftがWindows XP SP2の時に提供したような、互換アプリケーション・非互換アプリケーションのリストはどこにあるのだろうか? 確かに、ドライバの非互換、セキュリティスタックの書き直し、新しいユーザーインタフェースにより、Vistaはソフト開発者に多くのプログラムのアップデートを強いることになるだろう。顧客は移行予算を組み、そしておそらくはスケジュール面でISV(独立系ソフトベンダー)やコンサルタントに幾らかのプレッシャーをかけるために、今どのソフトが(Vistaで)動作しているのかを知る必要がある。

 MicrosoftもAppleも、OSの移行と互換性についてはIBMを手本にできるだろうとメインフレームシステムアナリストでEdge Information Groupの開発者M・カール・ゲール氏は主張する。

 「概して、1965〜66年にIBM OS/360向けに書かれたユーザーソフトウェア(システムサポートソフトウェアではなく)は、何も変更しなくても、現在提供されている最新OSのz/OSや最新ハードのSystem zで動くだろう」と同氏はわたしのコラムに寄せた投稿で述べている。

 もっと重要なのは、IBMがLE(言語環境)ランタイムサポートで走るアプリケーションに対する後方互換性を提供したことだとゲール氏は続けた。

 「つまり、最新レベルのLEでアプリケーションを開発してテストできるということだ。そして古いレベルのLEで利用できないハードやOSの機能を使わない限り、そのコードは古いハードやソフトでも問題なく走る」(同氏)

 この互換性は1998年以前のレベルにまでさかのぼると同氏は言う。「これこそアップグレードを提供する正しいやり方だ」

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