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Webブラウザ戦争に本格復帰したIE(1/6 ページ)

» 2006年10月20日 18時08分 公開
[Jim Rapoza,eWEEK]
eWEEK

 われわれeWEEK Labsが5年以上前にInternet Explorer(IE)6.0を見たとき、失望のあまり、無料という点しかアップグレードする理由がないと話した。それはつまり、われわれにとって重要と思えるMicrosoftのブラウザ――IE 5.0――を見つけるには、約9年前まで戻らなくてはならないということだ。

 だが10月18日のIE 7のリリースで、MicrosoftはついにWebブラウザ戦争に本格復帰した。IE 7は主力ブラウザにおけるMicrosoftの怠慢を覆す上で、大きく前進した。

 テストの間、われわれはIE 7を最近のIEのバージョンを超えるメジャーアップグレードであり、WebユーザーがFirefoxやOperaなど現行世代のブラウザに期待するようになった機能の多くをついに搭載したバージョンだと感じた。

 IE 7を今日手に入る中で最高のブラウザの1つとはまだ言わないが、Microsoftは自社ブラウザとライバルの距離をかなり縮めた。バージョン7は、タブ付きウィンドウなど今や一般的になったブラウザ機能を搭載して追いつき、Web標準サポートを提供し、デフォルトでのセキュリティが高まっている。

 実のところ、IE 7の最大の弱点――今後もずっとライバルに後れを取るであろう点だ――は、Windowsでしか動作しないという点だ。それだけではなく、同製品は現在、Service Pack(SP)2をインストールしたWindows XPでしか動かない(Vista版のIE 7は同OSと同時にリリースされる)。

 IE 7を試してみたいという人は、www.microsoft.com/ie/からダウンロードできる。Windows Updateを経由した同製品の配布も数週間以内に開始される(7月27日の記事参照)

新しいインタフェース

 IE 7にアップグレードしたユーザーは、すぐにインタフェースの大幅な変更に気付くだろう。われわれは、新しいインタフェースは直観的ですっきりしていると思ったが、見慣れたメニューがいいと言う人は、ツールメニューの「Classic Menu」オプションを選べる。

 IE 7のタブブラウジングはほかのブラウザと同様に機能し、タブのグループを保存したり、タブの開き方やナビゲーションをコントロールできる。われわれが気に入ったのはバーチャルスクリーンツールでタブ付き画面をすべて一覧できる「Quick Tabs」機能だ。

 IE 7はRSSフィードの検出においても優れており、ユーザーが購読しようとしているフィードの詳細情報を説明するフィード要約ページを提供する。また同製品の新機能(Operaでは既に提供されているが)には、ページを手早く拡大できるズーム機能がある。これは、視覚障害を持つ人や、Webコンテンツを大きく表示する必要がある人にとって便利だろう。この機能はブラウザ下部のステータスバーから簡単に利用できる。

 IE 7の「Delete Browsing History」オプションは、ブラウザセッションを削除するための複数の選択肢を提供する。パスワード、cookie、インターネット一時ファイルなどを消すこともできるし、「Delete All」をクリックしてもいい。

 話に聞いていたIE 7のフィッシング対策機能も、程なくして目にすることができた。この機能はすぐに、フィッシングコントロールをオンにするかどうかを尋ねる画面を表示した(Microsoftに情報が送信されることを通知するアラートもだ)。この機能は、中央サーバにある不審なWebサイトのリストをチェックし、閲覧中のサイトにフィッシングの特徴があるかどうか調べる。

 セキュリティに関して言うと、サイトのアドレスが、ポップアップの場合でも、常に表示されるというのがわれわれのお気に入りの新機能の1つだ。問題がありそうなサイトがこれまで以上に簡単に分かる。

 しかし、IE 7ではスクリプトレットとActiveXコントロールを処理する方法が大きく変わった。IEに合わせて特別に調整したと考えている一部のサイトは、IE 7で問題にぶつかるだろう。

 われわれはこれらの変更をおおむね支持している。IEのセキュリティ問題の主な原因の1つはActiveXだからだ。IE 7はActiveXとスクリプティングに強く反対しており、デフォルトではほとんどのインスタンスをオフにして、最も安全なコントロールとスクリプト以外は、ユーザーが幾つかの手順を踏まなければ有効にできないようにしている。

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