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米大学、残飯や廃棄物を使った発電プロジェクトを開始

» 2006年10月26日 07時42分 公開
[ITmedia]

 カリフォルニア大学デイビス校(UCデイビス)は10月24日、レストランなどで残った食べ物を再利用、エネルギーに再転換する実験を開始したと発表した。

 Biogas Energyプロジェクトと銘打ち、同校はサンフランシスコ周辺の有名レストランから毎週約8トンの残飯を回収。成功すれば、1トンの残飯から、10軒の家が1日に消費する電力を発電できると見込んでいる。

 残飯を利用した発電技術は、UCデイビスのルイホン・ツァン生物農業工学部教授が8年かけて開発したもの。同技術「嫌気性固体消化(anaerobic phased solids digester)」は、同大学からOnsite Power Systemsにライセンス供与され、商業化が計画されている。

 残飯や廃棄物を再利用することで二酸化炭素減少に役立つ環境に優しい技術として期待がかかっている。

 嫌気性消化システムは、汚水処理場や畜産場でも使用されているが、ツァン教授が開発したシステムは3つの点でこれらと異なる。1つには残飯、家畜の排泄物、伐採した草木など、様々な固体液体のゴミを処理できること。2つにはほかのシステムの約半分の時間でエネルギーに転換できること。3つには水素とメタンの両方を生産すること。ほかのシステムではメタンしか生産できない。これらガスを燃焼させ、発電や発熱を行うことができる。

 現在の課題は、高品質なガスを長期的に安定した量で提供できるようにすることだという。Onsite Power Systemsはツァン教授の研究にこれまで約200万ドルを出資、商業化に向けた準備を進めている。

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