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» 2006年11月01日 17時44分 UPDATE

マネジャーの教科書:恐怖のIT屋敷へようこそ (1/3)

亡霊、妖怪、幽霊屋敷、打ち砕かれたカボチャ――ぞっとするような恐怖が時として、あなたのオフィスのすぐ近く、あるいはあなたのデスクの脇に潜んでいることがある。

[Deborah Rothberg,eWEEK]
eWEEK

 まずは、スティーブン・カルデロン氏の体験談を紹介しよう。

 カルデロン氏がFry's Electronicsで警備員として働き始めて2週間目のことだった。カリフォルニア州アナハイム警察が職場にやって来て、痴漢と強姦の罪で同氏を逮捕したのだ。

 Fry'sは先に、カルデロン氏の経歴調査を委託していた。この調査は、ジョージア州アルファレッタに本社を置く年商10億ドルの信用調査会社、ChoicePointのサービスである「The Screening Network」を利用して行われた。同氏が重罪容疑で指名手配中であるという結果が出てきた時、ChoicePointが提供したデータが正確なのか? と誰も――Fry'sも警察も――疑おうとはしなかった。

 カルデロン氏は身に覚えのない罪で1週間、留置場で過ごす羽目になった。同氏が1993年にカリフォルニア州ノーウォーク市に提出したID盗難届けが、同氏の名前で作成された犯罪ファイルとリンクしていなかったのが原因だった。

 同氏はITエラーのせいで留置場に入れられたのだ。

 すべてのITによる災害がこのような悲惨な事態を引き起こすわけではないだろう。しかし、年季の入ったITプロフェッショナルであれば誰でも、ある日突然、すべてがおかしくなるという不気味でリアルな体験談の一つも持っていることだろう。10年後あるいは50年後の今でも、彼らは幽霊物語よりも恐ろしい体験談を生々しく語る。

無能副社長による侵略

 ミシシッピ州マディソンにある保険会社でシニアサポートアナリストを務めるジョン・ミッチェル氏(仮名)は多くの働きバチと同じく、すべて心得ていると考えている上司のせいで、ぞっとするようなIT災難に遭った。

 「われわれITスタッフがテストもしないうちに、プログラマー気取りの上級副社長がVisual Studio 2005の最新版をインストールすることを決めた。インストール後、彼のプログラムは動かなくなってしまった。それで彼はどうしたかというと、Visual Studioの従来版をアンインストールしたのだ」とミッチェル氏は話す。

 ミッチェル氏のITグループが調べてみたところ、その上司は自分のマシンに1つや2つどころか、3つの異なるバージョンのVisual Studioをインストールしていたことが分かった。

 「われわれはITスタッフなのだから、こういったことをきちんと管理できなくてはならないのだが、『ユーザーの創造性を抑えつける』ようなことをしてはならないという指示されていた。つまり『彼は副社長なんだから』というわけだ。彼に『だめ』とは言えなかった」(同氏)

 さらに追い打ちをかけるかのように、その副社長は「深刻度1」のトラブルチケットを提出したのだ。これは、問題が解決するまで自分の職務を継続することができないという緊急度の高い深刻度を意味するものだった。実際には、この問題は「深刻度3」という比較的軽度なものだった。しかしミッチェル氏のグループは、すべてを後回しにして、上司のマシンの問題解決を最優先するしかなかった。

 「ITグループのプログラミングスタッフが彼のコードを解読しようとしたが、無理だった。スタッフは古代エジプトの象形文字を解読する訓練を受けていなかったからだ」(ミッチェル氏)

 「それでわたしの方にお鉢が回ってきたのだ。わたしは彼のマシンを直そうと、徹底的にオーバーホールした。彼のPC上のあらゆるVBアプリケーションを何度もアンインストール/再インストールするとともに、手作業でレジストリをクリアし、『壊れたVisual Studio 2005』など、思いつくありとあらゆるキーワードでGoogle検索を行った。ロウソクで灯をともしたり、お祈りもしたりしてみたが、何をやってもだめだった」(同氏)

 「一方、副社長はといえば、その日は休みを取り、2時間ごとに電話をかけてきて進捗状況を尋ね、『アドバイス』をしてくれた。わたしはまる2日間、問題と格闘したが、直すことはできなかった。彼のプログラムは相変わらずクラッシュするのだった」(同氏)

 それでどうなったかというと、ミッチェル氏が3日目の朝に出勤すると、同氏を窮地に追い込んだ張本人の副社長からボイスメールが入っており、それによると、副社長が週末に出社したときに、データ収集ストリングの文字をタイプミスしたことを思い出したそうだ。これを修正すると、コードは完璧に動作した。

 「『チケットは無効してもらって構わない』と彼は告げた。幸いにも、わたしのオフィスの壁は二重防音構造になっていた。そうでなければ、わたしは今ごろ失業者の列に並んでいただろう」とミッチェル氏は振り返る。

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