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米通商代表部、知的財産権に関する年次報告書を公表

» 2007年05月01日 07時30分 公開
[ITmedia]

 米通商代表部(USTR)は4月30日、知的財産権侵害の特定と制裁に関する状況についてまとめた年次報告書「2007年スペシャル301条報告書」を公表した。

 同報告書で、今年も特に知的財産保護が不十分とされたのが中国とロシアの2カ国。

 ロシアについては、DVDやCDなどの海賊版の製造と流通、インターネット規制のゆるさが言及された。ただしロシアは、米国との合意に基づき、今後数カ月間で幅広い規制を導入するとみられており、米国はその実現に期待を掛けている。

 中国については、今回の報告書と併せ、USTRは中国の主要な各省における知的財産保護状況を1年間かけて視察、報告書をまとめた。各地域の対策強化が、中国全体の著作権保護意識向上につながるとみたためという。また著作権侵害や商標侵害が横行している現実に、強い懸念を表明した。米国はカナダ、欧州、日本、メキシコにも協力を要請、中国の知的財産侵害問題について、世界貿易機関(WTO)に協議を求めている。

 一方ブラジルは、知的財産保護違反の要注意リストである優先監視リスト(PWL)から監視リスト(WL)に移された。バハマ、ブルガリア、クロアチア、欧州、ラトビアは、リストから削除された。

 今年のスペシャル301条報告書で、PWL、WL、Section 306監視リストに掲載されたのは合計43カ国。PWLに掲載されたのは、中国、ロシアのほか、アルゼンチン、チリ、エジプト、インド、イスラエル、レバノン、タイ、トルコ、ウクライナ、ベネズエラの計12カ国。

 WLに掲載されたのは、ベラルーシ、ベリーズ、ボリビア、ブラジル、カナダ、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ共和国、エクアドル、グアテマラ、ハンガリー、インドネシア、イタリア、ジャマイカ、韓国、クウェート、リトアニア、マレーシア、メキシコ、パキスタン、ペルー、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、サウジアラビア、台湾、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、ベトナムの30カ国。Section 306監視リストはパラグアイの1カ国となった。

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