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Second Lifeでのいじめの実態を調査――ノッティンガム大学

» 2007年06月08日 08時02分 公開
[ITmedia]

 新参者ほどいじめ被害にあいやすい――英ノッティンガム大学が、仮想世界Second Lifeにおけるいじめの実態調査を実施した。

 Second Lifeを運営するLinden Labの承諾を得て、ノッティンガム大学ビジネススクールのトーマス・チェスニー博士を中心とした調査団は、Second Lifeにおけるいじめのパターンを調べ、現実世界の職場や学校でのいじめのパターンと比較、その違いを分析した。同調査団はSecond Life内の土地を借りて事務所を設立し、4つのフォーカスグループを実施した。

 ノッティンガム大学を代表するアバター「クレイ・クレーマー」が住民を集め、約50人から回答を得た。住民にはいじめの経験と、それに対する対処法について尋ねた。フォーカスグループでの話し合いの模様は、現実世界のノッティンガム大学でチェスニー博士らが観察し、映像とテキストを保存した。

 ある住民はSecond Lifeを始めた当初の経験をこう話す。「始めたばかりのころ、女性2人、男性2人の4人グループがわたしを小突き回した」。彼らは彼女が建てた最初の家を破壊し、彼女に向かって発砲したという。研究者らが目撃したほかのいじめおよび迷惑行動としては、ほかの人々を撃つ、剣で打つ、裸になる、騒音を出したりわめきちらしながら追い回す、など。

 仮想世界でのいじめと現実世界でのいじめの共通点は、どちらも力関係がキーファクターとなっている点だ。Second Lifeでは、知識や経験が少ない新人ほど、いじめの対象になりやすい。

 住民は、ほかの住民と協力して所有地からいじめる相手を締め出す、被害届けを出す、アバターをうまく使って個人攻撃から身を守るなどの対処法を、話し合いの場で提案した。フォーカスグループからは、Linden Labにいじめ処罰を強化するよう提案するという意見も出たが、Linden Labは「あなたの世界、あなたの想像力」のスローガンを貫き、住民の問題は住民自身で解決してもらうポリシーを変更する予定はないようだ。

 将来的には、ネットユーザー全員がSecond Lifeのような3D仮想サイトへアクセスするようになる。専門家らは、サイバーいじめは現在Second Life住民となりビジネスを行っている人々だけでなく、すべての人々に影響を及ぼす問題だと考えている。

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