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番組全編をSecond Lifeで収録 日テレが世界初

» 2007年09月25日 20時14分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 収録イメージ。アバターは左から千原ジュニアさん、馬場典子さん、土屋敏男さん。初回の収録時に、Second Life初心者の3人が操作するアバターが、並んで立つまでに30分かかったという

 3D仮想世界「Second Life」で全編を収録する30分番組「デジタルの根性」を、日本テレビ放送網が10月3日に始める。千原ジュニアさんなど出演者の操作するアバターが、Second Life内のおすすめスポットなどを紹介する番組で、テレビ番組全編をSecond Lifeで収録する取り組みは世界初という。

 出演者はアバターを操作し、Shiodome Islandやユーザーが作った自慢の家などといったおすすめスポットを巡るほか、動画配信サイト「第2日本テレビ」に投稿された動画を、Second Life内のディスプレイに映し出して紹介する。

 収録は実際のスタジオなどを使わず、全てSecond Lifeで行う。一般のユーザーはSecond Lifeにログインすれば、自由に収録を見学することができる。

 出演者はお笑い芸人の千原ジュニアさん、土屋敏男エグゼクティブディレクター、馬場典子アナウンサー。準レギュラーとしてお笑い芸人の矢部太郎さんも出演する。放送は、毎週木曜日午前1時29分〜59分。


画像 「アバターで世界中を飛び回る」と土屋敏男エグゼクティブディレクター

 「新しいものが好きで、世界で初めてという言葉に弱いから」と、同社デジタルコンテンツセンターの土屋エグゼクティブディレクターは企画の背景を話す。

 ただ「Second Lifeで収録することは、リスクも伴う」という。「例えば米Linden Labが突然Second Lifeのメンテナンスを行ったために収録ができないというようなことがあるかもしれない。予測できないことに対して、あたふたしながらも対応していくのがこの番組の面白さ」(土屋ディレクター)

 収録について千原ジュニアさんは「いすに座って遊ぶだけで良いから楽だった」と冗談交じりに話す。馬場アナウンサーは「夢中でアバターを操作した。わたしのアバターがナイスバディに作られていてうれしかった」という。


画像 Second Lifeを楽しむ出演者4人。実際の収録時は出演者がそれぞれ個別ブースに入り、PCを操作するという
画像 デジタルの根性の発表会見ではいすが用意されておらず、ずっと立ちっぱなしだった矢部太郎さん(真ん中)は「バーチャル矢部太郎はみんなと同等。現実では土屋さんに怒られそうな台詞もSecond Lifeでなら言えそう」

 「デジタルの根性」放送に先立ち、日テレは9月25日にSIM(島)「Shiodome Island」(汐留アイランド)を開設。同社のニュース専門チャンネル「日テレNEWS24」ニュース動画が視聴できるアバターアイテムを配布するほか、Second Life各所に設けたディスプレイでもニュース動画を見られるようにする。

 今後は「第2日本テレビ」のコンテンツもアバターアイテムに配信していく予定。同社のアナウンサーやタレントのアバターとコミュニケーションが取れるイベントも行う計画だ。


画像 Shiodome Island
画像 ニュース動画が視聴できる「報道フロア」

 同社デジタルコンテンツセンターの若井真介デジタル制作部長は「例えばドラマも仮想空間の1つであり、Second Lifeとテレビの作る世界は親和性が高い。Second Lifeは、Web2.0の進化形となる可能性があり、注目している」と語った。

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