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リアシートにもカーナビ映像 富士通、車載版1394の新チップ

» 2007年11月05日 13時46分 公開
[ITmedia]

 富士通は11月5日、車載版IEEE 1394規格「IDB-1394」コントローラと映像コーデックを内蔵した新チップを12月からサンプル出荷すると発表した。カーナビ映像などを低遅延で圧縮し、リアシートのディスプレイにシンプルな配線で表示できるという。

photo 映像コーデック内蔵のMB88388A(左)とオーディオ対応のMB88389

 新チップ「MB88388A」は、IDB-1394コントローラと、富士通研究所が開発した「SmartCODEC」を内蔵。映像データをを2〜3ミリ秒の遅延で3分の1サイズに圧縮復元でき、DVDやデジタル放送の映像のほか、MPEGでは不可能だったカーナビ映像も伝送できるとしている。著作権保護機能「DTCP」にも対応した。

 オーディオに対応した「MB88389」も同時にサンプル出荷を始める。サンプル価格はMB88388Aが2000円、MB88389が1500円。

photo IDB-1394の利用イメージ

 IDB-1394(ITS Data Bus-1394)は、1394 Trade Associationが策定した車載用ネットワークプロトコル。民生用エレクトロニクス機器に使われているIEEE 1394aに比べノイズ耐性が高いIEEE 1394bを採用し、車載用に信頼性を高めた。通信速度は最大400Mbpsと、制御系車載用ネットワークの「CAN」や「FlexRay」(10Mbps)に比べると高速なのが特徴だ。

 車内情報システム用として2009年から、まず高級車向けに普及が始まると富士通は予測しており、採用について日米欧の大手7社と検討しているという。新チップは08年から月産20万〜109万個規模で量産化する計画。

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