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バッファローもPC用地デジチューナー単体発売 「家電の周辺機器メーカー」に

» 2008年04月21日 18時40分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 デジタル放送推進協会(Dpa)がPCで地上デジタル放送を録画するための後付けチューナー開発を解禁したことを受け、周辺機器各社が続々と製品を投入している(関連記事:PC用地デジチューナー単体販売 方針転換の背景は)。

 バッファローも4月21日、地上デジタルハイビジョンに対応した単体チューナーを5月中旬に発売すると発表した。USB接続の外付け型と、PCI接続の内蔵型の2機種。2011年のアナログ停波に向け、単体チューナーの需要は拡大すると同社は期待している。

 同社はPCの周辺機器メーカーだが、今後は“家電の周辺機器メーカー”として存在感を示していく戦略。デジタルテレビなど家電関連の製品ラインアップを拡充し、「バッファローの周辺機器を通じて、異なるメーカーの家電がつながる」状態を目指す。

ダビング10にもアップデートで対応

 5月中旬(B-CASカードの発行認定が下り次第)に発売予定のチューナーは、USB2.0接続の外付け型「DT-H30/U2」(2万2050円)と、PCI接続の内蔵型「DT-H50/PCI」(2万3205円)。Dpaが4月7日に公表した後付けチューナー開発のためのガイドラインに準拠し、録画した番組をほかのPCで再生できない機能などが搭載されている。


画像 DT-H30/U2
画像 DT-H50/PCI

 それぞれ内蔵HDDへの録画やDVDへのムーブに対応し、内蔵型モデルはBlu-ray Discへのムーブも可能。HD映像の画質をDVD相当に落とすことでCPU負荷を軽減する独自機能「トランスコード機能」を搭載し、比較的低スペックなPCでも利用できる点が売りだ。

 「ダビング10」にも対応予定で、6月をめどに無償でアップデートする。録画した番組を編集できる機能も、年内にアップデートで提供する予定だ。

アナログ停波に向け、外付けチューナー市場は盛り上がる

 同社は02年にアナログ放送のチューナーボードを発売して以来、テレビ関連の機器を販売してきた。2006年9月に発売したUSB接続のワンセグチューナー「ちょいテレ」は予想を上回る人気で、同社の業績に貢献した。

 同社事業本部市場開発事業部の和田学事業部長は、アナログ停波が予定されている2011年に、3650万台のアナログテレビが残るという予測を紹介し「外付けチューナー各社に魅力的な市場。アナログ停波まで、徐々に盛り上がっていくだろう」と期待を込める。

 PC周辺機器メーカーとして確固たる地位を築いている同社だが、PC市場の飽和とともに「家電の周辺機器」へ軸足を動かし始めしている。「今後、テレビなど情報家電にバッファロー商品を買い足し、情報家電をアップグレードするソリューションを提供する。異なるメーカーの家電間で“とる”“見る”“貯める”すべてを、当社製品を介して可能にしたい」と、同事業部の中村智仁デジタルホームマーケティンググループグループリーダーは話す。

 今後は、BS/CS/地上デジタルの3波に対応した単体デジタルチューナーや、チューナーを2台搭載したWチューナーモデル、テレビ向け外付けチューナーも発売する計画だ。

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