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「最低でもシェア50%を」──SSDに東芝の技術を結集

» 2008年05月09日 11時35分 公開
[ITmedia]

 東芝の西田厚聰社長は5月8日開いた経営方針説明会で、成長が見込まれるSSD(Solid State Drive:半導体ドライブ)市場で「最低でもシェア50%は取りたい」と話した。同社が世界大手として注力するNAND型フラッシュメモリの成長アプリケーションとして期待をかけ、2009年には512Gバイトタイプまでラインアップを拡充する計画だ。

photo 経営方針説明会資料より

 同社は3月、128Gバイトの自社製SSDを搭載するノートPC「dynabook SS RX」シリーズの新モデルを発売した。ノートPC向けSSD市場は2011年までに年平均4倍の勢い(ビットベース)で成長すると見ており、HDDからの置き換えが本格的に進むと期待している。

 同社のSSDは、多値化技術による大容量、独自のコントローラ技術による高速性などで優れているという。128Gバイトまでの製品では、書き込み速度は最大40Mバイト/秒(HDD比で1〜2倍)、読み出し速度は最大100Mバイト/秒(HDD比で2.5〜5倍)だとしている。

 HDDと同じ2.5インチ/1.8インチのSATA/PATAやExpressCardで製品展開し、NANDフラッシュが3xナノメートルレベルに微細化する2009年には512Gバイトにまで大容量化できると見ている。スタック技術により集積度を高めた、小型で大容量なカード型製品も計画している。

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 西田社長によると、SSDは「コーポレートレベルでプロジェクトを起こした。半導体事業部門だけでは技術課題が解決できず、PC、HDDの部隊にも全面協力させた。HDD事業にとっては将来の競合になるかもしれないが、『協力しないとHDDに設備投資させない』といってノウハウを出させた」という。

 同社の技術を注ぎ込んだ自信作だけに、市場シェアは「競合他社がいつ技術を克服して追いついてくるか、という点にかかっている」と見る。「最低でも50%は取りたい。他社が追いついて仮に40%に下がったとしても、市場全体が拡大して売り上げは伸びているというところに持っていきたい」と意気込んでいた。

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