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NECと日産、自動車用リチウムイオン電池を事業化

» 2008年05月20日 09時48分 公開
[ITmedia]
photo ラミネート型のセル

 NECと日産自動車は5月19日、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)などに使うリチウムイオン充電池を事業化し、量産に乗り出すと発表した。3年間で120億円を投じて生産ラインを2009年度までに構築、初年度に1万3000台分を生産する計画だ。

 両社で共同出資する「オートモーティブエナジーサプライ」(AESC、神奈川県相模原市)が、日産座間事業所(同県座間市)内にリチウムイオン充電池の生産ラインを新設。2011年には6万5000台分まで生産能力を引き上げる計画だ。

 新設ラインは、リチウムイオン充電池のセルからモジュール、パックまでを生産する。電極はNECトーキンが供給。NECトーキンは今後3年間で110億円を投資し、NEC相模原事業場内に生産ラインを構築する。

photo EV用パック(左)とモジュール(右前)、セル

 AESCのリチウムイオン充電池は、NECが研究開発を続けてきた、マンガンによる「スピネル構造」を採用。過充電時の熱暴走が起きにくい上、マンガンの採用で低コスト化できるとしている。セルは薄型のラミネート構造で、一般的な円筒形セルと比べ、全体を小型化できるのも特徴。EV用のエネルギー密度は160ワット時/キログラム。

 日産はゼロエミッションを達成できるEVの普及を目指しており、まず09年に電動フォークリフトに、10年には日米で投入するEV向けに搭載する計画。AESCは国内外のメーカーにも販売していく予定。

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