ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

「富士通の強さが見えてきた」──野副新社長が経営方針を説明

» 2008年08月06日 07時00分 公開
[ITmedia]

 富士通の野副州旦社長が8月5日、6月の就任以来初となる経営方針説明会を開き、黒川博昭前社長の路線を引き継ぎながら、09年度に売上高営業利益率5%の達成を目指す方針を説明した。特に成長のドライバーとして海外事業を重視し、同年度に海外売上比率を40%に高めたい考えだ。

 野副社長は「ここ数年で富士通の強さが見えてきた。これをさらに強くする」と話し、グループで2万人以上のSE人材を抱える同社の強みを強調。一方で「課題も見えてきた」として改革を進める考えも示した。

 ソリューション/SIビジネスでは、営業とSEの一体化といった改革を進め、07年度には国内SIビジネスの営業利益率が10%近くに改善するなどの成果が出てきている。サーバ市場での金額シェアでも07年は4年ぶりにトップシェアを奪還するなど、製販一体の取り組みが成果になって現れてきた。

 サービスとプロダクトの相乗効果を高めるなどの取り組みで国内ビジネスの収益力を盤石にしつつ、これを原資にして海外事業の成長力と収益力を高めていく。海外事業は年平均約12%で売上高が拡大しており、08年度の海外売上比率は35%が目標。これを09年度には40%超に引き上げる。

 一方で、構造改革も進める。全社連結の営業益に貢献できるかどうかを基準に、事業の選択と集中を判断する。PCと携帯電話は「海外で事業を拡大する際に武器になる」として拡大を図っていく考えを示した。

 東京証券取引所で7月に起きたシステムトラブルの対策として、8月1日付けで「特定社会システム監視本部」を新設。社会的に影響が大きいミッションクリティカルシステムを「社会システム」としてとらえ、第三者視点で集中監視していく。

関連キーワード

富士通 | 社長 | 選択と集中


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.