ソニー製ノートPC用バッテリーに過熱の恐れがあるとして、米消費者安全委員会(CPSC)やPCメーカー各社が10月30日、リコールを発表した。
対象となるのは、Hewlett-Packard(HP)、東芝、DellのノートPCに搭載されているソニーエナジー・デバイス製リチウムイオンバッテリー。米国で約3万5000台、全世界で約10万台を自主回収する。ソニーの「VAIO」では問題のあるバッテリーは使われていない。
ソニーによると全世界での事故報告は40件で、軽度のやけど4件、軽度の器物損傷21件を含む。日本での事故発生は報告されていないという。
ソニーは原因について、2004年10月から2005年6月の特定期間の製造ライン調整が一部の電池セルの品質に影響を与えたと推定。一部部材不良によると思われる事故もごく少数ながら含まれているとも述べている。
CPSCがまとめた自主回収の対象モデルは以下の通り。
メーカー | 台数 | ノートPCのモデル | バッテリーのモデル | 販売時期 |
---|---|---|---|---|
Hewlett-Packard | 約3万2000台 | HP Pavilion:dv1000、dv8000、zd8000 Compaq Presario:v2000、v2400 HP Compaq:nc6110、nc6120、nc6140、nc6220、nc6230、nx4800、nx4820、nx6110、nx6120、nx9600 |
A0、L0、L1、またはGCで始まるバーコードラベルが付いている | 20004年12月〜2006年6月 |
東芝 | 約3000台 | Satellite:A70/A75、P30/P5、M30X/M35X、M50/M55 Tecra:A3、A5、S2 |
2005年4月〜10月 | |
Dell | 約150台 | Latitude:110L Inspiron:1100、1150、5100、5150、5160 |
OU091 | 2004年11月〜2005年11月 |
CPSCは消費者に対し、すぐにノートPCからバッテリーを取り外して、メーカーに自主回収の対象かどうかを確認するよう促している。バッテリーを交換してもらうまでは、ACアダプタでノートPCを使うよう勧めている。
HP、東芝、Dellはそれぞれリコール情報のページを設け、電話でも問い合わせを受け付ける。
2006年にも過熱が原因でソニー製バッテリーのリコールが行われており、このときはDell、Apple、富士通、Lenovoなどが合計で900万台以上を自主回収した。今回のリコール対象バッテリーは、2006年に自主交換対象となったバッテリーセルとは異なるタイプであるとソニーは説明している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR