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顔認識であなたに合った広告を――NECのデジタルサイネージ

» 2008年11月11日 16時37分 公開
[宮本真希,ITmedia]

 NECは、同社の技術やサービスを紹介するイベント「iEXPO 2008」(11月11〜13日、東京国際フォーラム)で、顔認識技術を応用したデジタルサイネージ(電子看板)を展示している。カメラでとらえた顔画像から通行人の年齢や性別を判定し、それに応じた広告を表示するというものだ。

画像 電子看板の上部にカメラが付いている。女性の記者が電子看板の前にたつと、レディースローンの広告が表示された。看板の左上のディスプレイにはカメラ映像が表示されている

 電子看板の上部にカメラを設置。通行人が顔を電子看板に向けると顔画像をとらえ、1万人分の顔画像のデータベースと照合して0.3秒ほどで年齢や性別を推定し、最適な広告を表示する仕組みだ。年齢は、10代刻みで推定する場合、7割程度の確率で正答するという。

 会場では金融機関の広告を表示するデモを披露。40代前後の男性が通ると住宅ローンの広告を表示し、女性の記者が通るとレディースローンの広告が表示された。例えば、60代以上の人には「振り込め詐欺注意」というメッセージを表示する――といったことも可能だ。

 この技術の実用化も進んでいる。今夏にはフジテレビのイベント「お台場冒険王」で、ゲゲゲの鬼太郎の「目玉おやじ」が、参加者の顔の特徴から性別や年代などを言い当てるというシステムを設置した。(お台場冒険王の人気アトラクションに見る電子看板ビジネスの真骨頂)。

 「追いかける広告」――こんな名前が付いた電子看板もある。看板に取り付けられたカメラで人の顔を撮影し、以前に看板の前を通ったことがある人かどうかを認識して広告を変える仕組みだ。

 撮影した顔画像から鼻や口、目の位置や大きさなど顔の特徴点を抜き出してデータ化し、サーバに記録。人が電子看板を見るたびに、記録済みの顔かどうかを照合する。

 看板を見たことがある人だと認識すれば、前と同じ広告を表示して印象を強めたり、連続した複数の広告を制作し、前の広告の続きを表示するといったことが可能だ。テーマパークなどに複数の電子看板を設置し、前の看板で見たストーリーの続きを次の看板で見せる――といった使い方もできる。

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