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「どこから漏れたか分からない」――個人情報の盗難、4割は「心当たりなし」

» 2008年12月17日 18時56分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 オンライン上での詐欺や個人情報を盗まれる被害にあったことがあるか

 オンラインで個人情報を盗まれた人の約4割が「どこから漏れたか全く分からない」――シマンテックの調査でこんな結果が出た。4人に1人が、オンラインで詐欺や個人情報盗難の被害にあったことが「ある」「ひょっとしたらあっているかも」と答えた。

 今年10月に、ヤフーバリューインサイトに委託し、ネット利用歴3年以上で15歳以上の男女1000人に、ネットで調査した。男女比は半々。

 オンラインで詐欺や個人情報を盗まれる被害にあったことがある人は3.9%、「ひょっとしたら何かの被害にあっているかもしれない」人は22.6%だった。性年齢別でみると、50代の男性で「ある」は9%と最も高かった。

 個人情報を盗まれた人に心当たりがあるか聞いたところ「どこから漏れたか全く分からない」(38.9%)という意見が最多で、昨年から6ポイント増加した。次いで「無料サービスに見せかけたサイトに個人情報を入力してしまった」(26.7%)、「PCがウイルスやワームなどに感染した」(19.6%)だった。

画像 オンラインで詐欺や個人情報を盗まれる被害を避けるのに有効な手段と実践状況

 個人情報盗難などの被害を避けるために有効な手段として、「総合セキュリティソフトを使う」と考えている人は78.3%だったが、実際に使っている人は55.3%と約半数にとどまった。

 同社コンシューマ事業部門の風間彩シニアマネージャは「セキュリティソフトが入っていないPCを使うことは、自宅のドアに簡単にピッキングされてしまうような鍵をかけて外出するのと同じ」と警告する。


画像 対策への理解と自信度

 「被害にあわないための方法を正しく理解していると思うか」という問いに対し、「思う」は24.3%で、昨年の調査より9ポイント減った。「詐欺や個人情報の盗難を実際に防御できていると思うか」という問いに対し、「被害にあわない自信がある」は1.5%、「たぶん大丈夫だと思う」は31.8%だった。「対策の理解・自信の低下状況は深刻と言わざるを得ない」(同社)


画像 オンラインゲームユーザーの調査

 オンラインゲームで詐欺にあうケースもある。オンラインゲームを利用したことがある人は21.1%で、そのうち「リアルマネートレード(IDやアイテム、仮想通貨などを金銭で取引すること)をしたことがある」は10.6%、「取引を持ちかけられたことがある」は6.4%、「何かをだまし取られたことがある」は1.4%だった。

 「オンラインゲーム中にセキュリティソフトを無効にすることはあるか」という問いに対し、「ある」は13.3%、「セキュリティソフトをもともと使っていない」は7.3%だった。無効にする理由としては「動作が重くなる」「面倒」「ゲームに干渉する」といった意見が寄せられたという。

 「オンラインゲームユーザーにとってセキュリティソフトは重たくて邪魔なものという認識があるようだ」(風間シニアマネージャ)

 オンライン詐欺の手口は年々巧妙化しているという。こうした傾向を受け、「ネットの利用方法が変わった」は7.1%、「多少は変わった」は37.4%、「どうすればいいか分からないので変わっていない」は34.6%、「特に気にしていないので、変わっていない」は21%。「変わっていない」が「変わった」を上回っていた。

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