「変化が激しすぎるかも」――急成長「pixiv」の1年を追う(1/2 ページ)
「呼吸している時間すべてがpixivだった」――ピクシブの片桐孝憲社長は、イラストSNS「pixiv」運営のため、寝る間も惜しんで働いた2008年をこう振り返る。
「変化が激しすぎるかも」。pixivの1年は片桐社長のこの一言に尽きる。昨年9月にオープンし、1年3カ月で月間ページビュー(PV)は4億、会員数は40万に増えた。開設当初サーバは10台ほどだったが、今は100台になった。
社員は半年間で倍増し、15人に。オフィス(120平方メートル)は3社でシェアしていたが、サーバと社員が増えたことでスペースが足りなくなり、ピクシブ以外の2社は引っ越し。pixivと並行して続けてきた受託開発は止め、これからはpixiv1本でやっていくことを決めている。
この1年、pixivでは一体何が起こっていたのだろうか、今後も成長は続くのか、運営していて大変なことは何か、来年の目標とは――急成長するpixivの“ゆく年くる年”。
米国の男性からメール「ピクシブで働きたい」
pixivは、自分で描いたイラストを投稿したり、投稿されたイラストに評価・コメントを付けられるサービス。イラスト専門の同人作家だった同社の上谷隆宏さんが「Flickrのイラスト版を作れば、みんなのイラストを探すのが楽」と考え、開発した。
ユーザーの声を拾い、細かい要望に応えることを心掛け、機能開発を進めてきたという。「開発中に、別のほうが良いと思ったらすぐそっちをやる。あんまり戦略なんてないから1カ月先のことも分からない」(片桐社長)
会員数は、今年1月時点では5万だったが、現在はその8倍に増えた。5%は海外のユーザー。韓国のユーザーから「登録させてくれてありがとう。今後ともよろしく」とメールが届いたり、米国の10代の男性から「ピクシブで働きたい」とメールが送られてきたこともある。
「pixiv」のロゴをデザインしたストラップを自作し、送ってくれたユーザーもいた。同社の社員が家電量販店でビデオカメラを買おうとした際、不意にかばんから、そのストラップを付けたバイクの鍵を取り出したところ、それを見た店員が「pixivの方ですか? 毎日イラスト投稿してます」と話しかけてきたこともあったという。
今年9月、pixiv1周年を記念し、pixivを擬人化したキャラ「ピクシブたん」のイラストを投稿するコンテストを開催したときは、3000作以上が集まった。「いっぱい投稿されたことがうれしくて、そればっかり見ていた」(片桐社長)
「pixivで学ぶイラストテクニック集」――pixiv人気にあやかった本も今月、晋遊舎から出版された。pixivユーザーがイラストの描き方を紹介する内容だ。片桐社長は「親に自慢できる」と、本の出版をうれしそうに話す。
このまま会員は増え続けるだろうか。片桐社長は「増えていくとは思うが、何百万にはならないだろう。多くて150万くらいかな」と見る。「100万会員突破したら、うれしくて(ピクシブのオフィスがある)代々木じゅうを駆け回りそう」(片桐社長)
目標は300万会員。国内と海外のユーザーを150万会員ずつ獲得したい考えだ。「国内で会員が増えなくなれば、海外に出て行く。人が増えると、影響力が上がっている感じがして面白い」(片桐社長)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「セキュリティソフトも売ってるのに」ソースネクスト会員情報漏えい、パスワード含む最大2252万件 API不正利用される
-
2
「『楽天カード公式』から詐欺メール」報告相次ぐ ドコモメールに公式マーク付きフィッシング、一部企業の認証設定に脆弱性
-
3
研究者グループ、中国Tencentのクラウド上の“逸脱”AIエージェント群と交信 報告書の隠しテキストで呼び込む
-
4
Microsoft、3つの国際的な犯罪ネットサービスを解体へ 日本狙った詐欺がきっかけ
-
5
バーガーキング、約1118万件漏えい 公式アプリ会員システムに不正アクセス
-
6
Amazon、Beeの新AIデバイス2機種発表 リストバンド型とスマホ装着型、会話を要約し「Alexa+」と連携
-
7
デジハリ大、「Claude」を全学導入へ──国内初、“回数気にせず”使い放題に
-
8
デンマークの880万人分流出、原因はパスワード「123456」 ハッカー「侵入は難しくなかった」 現地報道
-
9
Anthropic、METRの評価チームを社内に常駐させ“従業員並み”のアクセス付与 公表に拒否権なし
-
10
Tesla、新型「Roadster」発表 SpaceX技術で“飛べる”モデルも 日本でも予約受付中
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR