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Oracleのレイオフに「懸念なし」とアナリスト

» 2009年01月16日 14時47分 公開
[Brian Prince,eWEEK]
eWEEK

 複数のIT業界アナリストが、米Oracleが最近実施したレイオフに懸念はないとしている。

 Oracleはレイオフに関する公式コメントを控えているが、同社が8万6000人の社員のうち数百人を削減したことをReutersが報じた。Wall Street Journalは削減数を500人と伝えている。

 報道によれば、削減対象は北米の販売、コンサルティング事業。Oracleの社員数を考えると、レイオフの規模は比較的小さいとアナリストらは指摘する。

 「今回のレイオフの規模は非常に小さいため、これがOracleの事業に関して何かを物語っているのかは分からない」とPtak, Noel & Associatesのアナリスト、ジャスミン・ノエル氏は語る。「これは主に、コンサルティングプロジェクトへの顧客の需要の減速――実際の減速と、今後見込まれる減速――に対応するものだと思う」

 Friedman, Billings, Ramseyのアナリスト、デビッド・M・ヒラル氏にとって、今回のレイオフはIT業界全体の状況に沿ったものだ。

 「もっといい環境では、単発的なレイオフは確かに企業のビジネスが減速していることを示すものだ」とヒラル氏。「だが、この環境では、ITセクターのほとんどの企業がある程度のダウンサイジングを始めている。ビジネスは明らかに減速しており、企業は利幅と利益を保とうとしている。ソフトメーカーでは、コストのほとんどは人件費だ。最も簡単なコストの抑制方法は、残念ながら、人を減らすことだ」

 IT業界では人員削減が相次いでいる。例えば米Seagate Technologyは1月14日に、再編計画により全世界で約3000人を削減すると発表した。

 Oracleに関して言えば、Piper Jaffrayの上級リサーチアナリスト、マーク・マーフィー氏は、Oracleは2000〜2003年のドットコムバブル崩壊時の戦略に戻っていると語る。

 「驚くことに、Oracleはその景気低迷時に営業利益率を30%から36%に伸ばした」とマーフィー氏。「多くの大手IT企業が赤字に転落していたときに、それを達成した」

 Oracleは顧客の需要のトレンド変化を予測することに長けてきたと同氏は語り、過去2四半期、同社の営業利益率の拡大は加速していたと付け加えた。

 「今回のレイオフは、世界的な景気悪化の兆候が増えていることに対する完全に適切で合理的な対応だと確信している」と同氏は言う。「差し迫った警告のサインを無視するのは間違いだ」

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