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ミクシィ、初の減益予想 マス広告でユーザー拡大へ

» 2009年05月12日 07時00分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 笠原社長

 ミクシィは5月11日、2010年3月期の連結営業利益が、前期比15.1%減の32億円になる見通しだと発表した。2006年の上場以来2けた成長を続けてきた同社だが、会員獲得などに向けて積極的にコストをかける結果、今期は上場来初の減益となる見込みだ。

 売上高は7.9%増の130億円、経常利益は15.5%減の32億円、純利益は12.7%減の17億円となる見通し。笠原健治社長は、「弱い成長になる1年だが、2010年、11年に大きく成長する。次の5年で新しいステージに立つ」(笠原社長)と話す。

 「mixiアプリ」スタートに向けた投資や、下半期からの登録制開始に伴うプロモーション強化などで先行投資がかさむほか、招待状なしで参加できる登録制開始に伴い、3億円の予算をかけてマス広告(ネット広告含む)を展開する計画。人材採用や、サイト健全化に向けた監視やユーザーサポート強化にも投資する。

 mixiアプリを通じて「mixi日記」と並ぶようなコミュニケーションサービスが登場すれば、ユーザー数が飛躍的に拡大すると期待。3月末現在のユーザー数は1683万人だが、将来は「3000万人超えを想定している」という。3月のページビューはPC版が42億5000万、モバイル版が111億だが、mixiアプリによってPVも急拡大すると見込んでいる。

 mixiアプリは今期、2〜3億円程度の増収要因となる見込み。増収効果が本格的に寄与するのは来期以降になる見通しだ。

 昨年6月には中国でSNSをスタート。ユーザー数は10万程度に拡大したが、PVは「とても小さな規模」にとどまり、売り上げはゼロという。今期も売り上げは見込まず、引き続きメディア力を強化・拡大する計画だ。

 同日発表した09年3月期の連結決算は、売上高が120億5200万円、営業利益が37億7100万円、経常利益が37億8700万円、純利益が19億4600万円。同社は昨年5月の中国子会社設立に伴い、08年10〜12月期から連結決算に移行している。

 大阪市内に広告営業拠点を新設する計画も発表した。西日本の営業拠点として6月1日にオープンし、mixiの広告営業基盤を強化する。

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