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» 2009年07月03日 15時30分 UPDATE

ひろゆき&夏野コンビ+SFCの学生、三木谷社長に迫る (2/3)

[岡田有花,ITmedia]

薬のネット販売問題のなぜ

画像 三木谷社長の著書を宣伝するひろゆき氏。口述筆記で書かれた本という。ひろゆき氏も口述筆記で新書「僕が2ちゃんねるを捨てた理由」を出したばかりだが、「僕、本を出しましたけど、自分で書いてないですもん」と爆弾発言。ライターが内容をかなり補足しているらしい

 「水虫薬やインドメタシンが入った湿布、バファリン、妊娠検査薬。すべてネットで買えません。バカげていると思う。副作用の定義もよく分からない」(夏野氏)――6月に施行された改正薬事法で、大衆薬のネット販売が規制された。三木谷氏は、改正に待ったをかけるべく運動してきたが、流れを止めることはできなかった。

 「大衆薬がネットで買えないのは、韓国と台湾、タイ、日本だけ。日本はネットに後ろ向きな官僚と政治家が多く、利権もからむ」と三木谷氏は話す。

 なぜネット販売が規制されたのだろうか。「地場の薬屋の売り上げが減るからでは。ネットは価格比較し、一番安い店で買うから、価格競争が起きちゃう」とひろゆき氏が述べると、夏野氏は「1品なら最安値でも、一緒にほかのものを買いたくなり、総額では必ずしもそうはならない」と反論した。

画像 「薬局は暇そうで、『この人らを食わしてていいのかな』と思う。たばこ屋も暇そうな割につぶれないから、いつか販売免許取ってやろうと思ってる」とひろゆき氏

 海外のECサイトからの薬品の個人輸入は規制されていないため、日本で規制が始まった後は海外サイトで購入し始めた人もいるという。「楽天で買ってもらえば日本に税金落とすのに、海外の売り上げが伸びるなら意味なくないですか?」(ひろゆき氏)

 ひろゆき氏に言わせると、楽天が薬のネット販売を続ける方法はまだある。「政治家にロビー活動しまくるとか、楽天の本社を米国にして日本の法律の範囲外に出るとか、強引な手法を採ることもできるのでは」(ひろゆき氏)。三木谷氏はそういった強硬手段に出るつもりはないようで、「強引ではないが、ねばり強くやっていく」と答えた。

 薬のネット販売をめぐる騒動で三木谷氏は日本について「わけのわかんないことを強引にでも通しちゃう国なんだな」と感じたという。

 日本の将来性に疑問持つなどし、運営していた「2ちゃんねる」をシンガポールの企業に譲渡したひろゆき氏が、「日本から出た方が楽と思わない?」と尋ねると、三木谷氏は「日本が意外と好きなので」と返した。

「楽天も、進化し続けなくては」「2ちゃんねるは進化してませんよ」

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 学生からの「三木谷氏がECベンチャーを立ち上げようとしている若者だとしたら、楽天にどう立ち向かうか」という問いに対して三木谷氏は、「直接競合するのはやめて、一緒に仲良くやりましょうよ」と提案。「絶対倒せないという自負はないのか」というひろゆき氏の質問に対して「ない」と即答した。

 楽天はネット企業の勝ち組だが、「ゲームのルールは常に変わっている。楽天のモデルも常に見直し、進化しないと負けると思う」と三木谷氏は臨戦態勢を崩さない。

 ひろゆき氏が「2ちゃんねるとか、ぜんぜん進化してないですよ」と返すと、三木谷氏は「2ちゃんねるは普遍的なものなのだろう。それに、参入障壁が高い。みんな怖くてできない」と返して会場をわかせた。

 楽天はGoogleやAmazon.comのような米国の巨大企業にどう対抗するのか――そんな質問に対して三木谷氏は「意識しても仕方ない。自分たちが考えたビジネスモデルでしっかりやっていく」とした上で、「Microsoftの新検索エンジン『Bing』がすごく評判が良く、Googleがかなりびびっていると聞く。Googleも盤石ではない」と話した。

 ひろゆき氏は「Googleはトップの決断力がそんなにない。三木谷さんとか孫さん(ソフトバンクの孫正義社長)とかバルマー(Microsoftのスティーブ・バルマーCEO)は、人に嫌われても気にしないような“おかしい人”。Googleの創業者はそこまでおかしくなく、多数決で決めた結果に流されている」と独自のGoogle評を展開。夏野氏は「Microsoftの強さは、冬になると仕事以外やることがなくなるシアトルに本社があること」と冗談めかして話した。

 楽天の今後の課題が「より個人個人に合ったサービスをしていく」と聞いたひろゆき氏は、「多様化を信じてるんですね」と返す。「人間は、調べて好きなものを探す人と、与えられた物だけでいいという2種類に分かれると思う。ネットには、物を調べるのが大好きな人が多いが、携帯はiMenuだけで十分という人が多い。そう考えると多様化はある所で止まると思う」(ひろゆき氏)

 この考え方に対して三木谷氏は、「iMenuでも好きなカテゴリーやジャンルが上に出たほうがいい」と反論。夏野氏は「例えばテレビのチャンネルは5〜6種類しかないが、iMenuは1万メニューある。だいぶ多様化している」と指摘した。

「大学で何かを学べると思うのは間違い」

 学生からの「大学の教育レベルが下がっている」という指摘があると夏野氏は「教育されたから優秀ということは絶対にない。教育されるとかではなく、チャンスの問題。今の方がチャンスがあるので、それをつかみとっていくというスタンスの問題」と持論を披露した。

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