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» 2010年04月27日 14時29分 UPDATE

「綾波レイのヌードはOK」――都が条例改正案のFAQ公開、「条文と違う」と指摘も

「綾波レイのヌードやしずかちゃんのパンチラはOK」――青少年育成条例改正案について、都がFAQを公開。識者からは「条文と違う」という指摘も。

[ITmedia]

 東京都青少年・治安対策本部は、アニメ・漫画に登場する18歳未満のキャラクターを「非実在青少年」として、性的描写などの内容によっては不健全図書に指定して青少年への販売を禁じる「東京都青少年の健全な育成に関する条例」(青少年育成条例)改正案に関する質問・回答集(FAQ)を、4月26日に公開した。

 対象となる漫画やアニメは「子どもとの性行為の描写を不当に賛美したり強調したりしたものに限定られる」とし、「ドラえもん」のしずかちゃんの入浴シーンや「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイのヌードシーンなどは「対象ではない」などと説明しているが、識者からは「条文と違う」という指摘も出ている。

 FAQによると、「非実在青少年」とは、小学校で授業を受けているシーンがあったり、ナレーションで「○○は13歳」と説明があるなど誰が見ても明らかに18歳未満と分かるキャラクターで、「見た目が子どものように見える」「声優の声が18歳未満のように聞こえる」だけの場合は、「全く該当しない」としている。

 条文では「非実在青少年」による性交などを「みだりに性的対象として肯定的に描写」することで「青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」で、「強姦など著しく社会規範に反する行為を肯定的に描写したもの」を不健全図書指定できると規定しているが、「みだりに」「肯定的に」といった文言はあいまいで、いくらでも拡大解釈可能だという指摘があった。

 都のFAQでは「みだりに」を「正当な理由がなく」、「性的対象として」を「読者の性的好奇心を満たすため」、「肯定的に」を、「不当に“賛美”または“誇張”して」と言い換え、対象を明確に絞り込んでいると主張。性行為のシーンを売りにしたり、子どもに対する悪質な性行為をあたかも楽しいことこととして描写したり、ストーリー上不必要なほど強調したものに対象を限定していると説明している。

 対象となるか問い合わせが多い具体例として、しずかちゃんの入浴シーンや、エヴァのレイやアスカのヌード、「キューティーハニー」で如月ハニーが変身するシーン、「クレヨンしんちゃん」でしんのすけがお尻を出すシーン、「ドラゴンボール」でブルマが裸になるシーンを列挙し、これらは「性交または性交類似行為を描いたものではないので対象にはならない」としている。

 コミックマーケットでの同人誌の販売は、ビジネスではなく個人の趣味の範囲のため対象外と説明。小説が対象とならなかったのは、「漫画と異なり、読んだ人の年齢、性別、経験、読解力などにより、とらえ方や感じ方が千差万別で、絵や映像のように一律・具体的・客観的な印象を与えるものとは言えない」ためとしている。

 FAQについて、識者からは「条文と違う」など問題点を指摘する声があがっている。漫画評論家の藤本由香里さんはTwitterで、「『明確に描写』とか『悪質な』とか『不当に誇張・賛美』などの限定は条文には全く存在しない」などと指摘。「松文館事件」で被告側弁護人を務めた弁護士の山口貴士さんは、「言い訳をだらだらとするのではなく、曖昧な条文を変えて下さい」と苦言を呈している

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