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BlackBerryのRIM、“匿名幹部”からの公開提言に「RIMは順調」と主張

» 2011年07月01日 13時36分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 「RIMのCEOは今こそ問題を直視し、改革に乗り出してほしい」――。カナダのResearch In Motion(RIM)の幹部と名乗る匿名の人物が同社の共同CEOに宛てた公開メールを、米ブログメディアの「Boy Genius Report(BGR)」が掲載した

 同社のBlackBerryはかつてビジネス向け携帯電話市場で圧倒的な地位を誇ったが、現在は米AppleのiPhoneや米GoogleのAndroid端末にシェアで抜かれている。6月の業績発表では増収減益で人員削減を計画しており、通年の予想を下方修正した。

 この公開メールはRIMの共同会長兼共同CEOのジム・バルシリー氏とマイク・ラザリディス氏に宛てたもので、「私は自信を失っています。職場では隠していますが仕事への情熱は消えており、この状態にあるのは私だけではありません」という書き出しで、現状の問題点とその解決策を長文で提言している。直言がキャリアに影響を及ぼすことを恐れての匿名だが、同社の幹部だという。BGRも、このメールの送信者がRIMの従業員であると確認したとしている。

 提言は、従業員への情報開示や共同会長・共同CEO体制の見直しなど8つの項目にわたっており、「われわれの立ち位置を真摯に見直し、大規模な改革を始めるのに、今こそが絶好のタイミングです。われわれにはできます!」と結ばれている。

 この公開メールに対し、RIMは公式ブログで「“公開書簡”へのRIMの回答」と題する1文を公開した。RIMはまず、この書簡の送り主が同社の幹部であることは疑わしいとした上で、書簡の真偽はともかく、RIMは指摘されている問題は十分認識しており、対処していると語った。同社は1段落を使っていかにRIMが順調であるかを説明している。公開書簡での問題提起に対する具体的な回答はまったくなく、投稿は無記名で行われている。

 一方、RIMは同日、共同会長、共同CEOという現行の経営体制を見直すための委員会を設置すると発表した。これは、同社株主のNorthwest & Ethical Investments(NEI)が6月初旬に、バルシリー氏とラザリディス氏の役職を分離するよう提案したことを受けたものだ。RIMはラザリディス氏が1984年に創業し、1992年からラザリディス氏とバルシリー氏が共同CEOとして同社を経営してきたが、近年のシェア減少などを理由に、株主から現在の経営体制に対する不満の声が上がっていた。

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