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Apple、iOS版iPhotoでOpenStreetMapの地図データを採用

» 2012年03月09日 07時55分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Appleが3月7日(現地時間)に発売したiOS版「iPhoto」は、非営利のオンライン地図プロジェクトOpenStreetMap(OSM)の地図データを採用した――。OSM Foundationが8日、公式ブログでそう語った。OSM Foundationは英国を拠点とし、OSMプロジェクトをサポートする非営利組織。

 iPhotoは、写真編集・管理アプリ。Mac版は2002年から提供されている。写真にGPS情報が埋め込まれていれば、「撮影地」情報を地図で確認できる機能がある。

 map 1 デスクトップ版iPhotoの地図にはGoogleのロゴが
 map 2 iOS版iPhotoの地図

 Mac版の「撮影地」で使われている地図のデータは米GoogleのGoogleマップのものだが、iOS版の地図にはGoogleのロゴが表示されず、どこのデータかが話題になっていた。

 OpenStreetMapは、2004年にスタートした“地図のためのWikipedia”と呼ばれるオープンなプロジェクト。オンラインで公開されている世界地図上で、誰もが情報を追加・編集・閲覧でき、データをエクスポートすることも可能だ。現在55万人以上が貢献しているという。米foursquareも2月末に、GoogleマップからOSMへの移行を発表している。

 OSM Foundationは「Appleは、Mac版iPhotoやiOSアプリでGoogleマップを使っているが、iOS版iPhoto(の米国外)の地図はOpenStreetMapのデータにApple独自の地図タイルを組み合わせたものになっている」としている。

 ただし、Appleが使っているのはやや古いデータであり、必要なライセンス手続きもとられていないという。OSM Foundationはこの問題について、Appleと協力して解決したいとしている。

 OSM Foundationはブログの最後を「だが、有名な地図ユーザー企業がOpenStreetMapに切り替えたことは喜ばしい。さらに多くのユーザーが切り替えることを期待する」という言葉で結んでいる。

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