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「悔しい積年の思いぶつける」 プラチナバンドで「つながるソフトバンク」目指す

» 2012年05月29日 18時42分 公開
[ITmedia]
photo 孫社長

 「プラチナバンドにはソフトバンクの意地、なんとしてもつながりやすくするんだという思いを込めて取り組んでいる」──ソフトバンクモバイルの孫正義社長は5月29日の新端末発表会で、「夏モデルはネットワークに特に注力している」と力を込めた。7月25日から対応が始まる900MHz帯、いわゆる「プラチナバンド」は「通常の4倍の速度」で基地局を展開している胸を張った。

 新端末では、「強い思いを込めた」という放射線測定機能付きスマートフォン「PANTONE 5」(107SH)のほか、4.7インチのスーパーCGシリコン液晶ディスプレイを採用したフラッグシップ機「AQUOS PHONE Xx」(106SH)、ソフトバンクとしては初めての富士通モバイルコミュニケーションズ製端末となる「ARROWS A」(101F)などのAndroidスマートフォンをそろえた。

photophoto AQUOS Phone Xx(左)とARROWS A
photo DIGNO DUAL

 またウィルコムのPHSとデュアル方式のスマートフォン「DIGNO DUAL」(WX04K、京セラ製)も発表。「だれとでも定額」に対応した「話し放題スマートフォン」が売りだ。

「いつでもどこでもつながるソフトバンク」

 同社への900MHz帯割り当てが決まったのは3月だが、900MHz帯基地局関連の機材は先行して発注。夏モデルは全機種が900MHz帯に対応するが、「端末準備にも1年以上かかる。1日も早くプラチナバンド対応を提供したいとチップの準備を開始していたということだ」(孫社長)。

 iPhoneは現在は2.1GHz帯を利用しているが、7月25日以降、900MHz帯を使った通信が可能になる。「同じ基地局数でも電波の届く範囲が一気に増える」と、繁華街や建物の中、地下鉄の入り口、郊外でも「はるかに届きやすくなっていく」とアピールする。

photo 「プラチナバンドでは2.1GHz帯に比べ電波の届く範囲が3倍増える」
photo 「大きな建物があっても回り込んで届く」

 900MHz帯サービスのスタートは7月25日に予定しているが、最初の週はまず「数百レベル」の基地局から対応。「一気に立ち上げるとほかのネットワークとの整合性もあり、他のネットワークに影響を及ぼさないように」と徐々に拡大し、「12月までに数千の上のほう、来年3月では万のレベルの基地局で対応する」という。「一般に基地局展開する速度の4倍くらいの速さだ」

 孫社長は「ソフトバンクはスマホブームをけん引してきたと自負してきたが、ネットワークにつながりにくいという問題があった」と認めた上で、「プラチナバンドを持っていないことが大きなハンデになっていたが、技術力や努力が足りないからつながらないんだと多くのお客からおしかりを受けてきた。悔しい積年の思いをぶつけて一気に改善していく」と話し、「いつでもどこでもつながるソフトバンク」を目指すと意気込んだ。

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