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自分の仕事を無断で中国に“アウトソーシング”していた従業員──Verizonが事例として紹介

» 2013年01月17日 10時11分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 会社で最優秀と見なされていたソフトウェア開発担当者が、実は自分の仕事を中国企業に丸投げしていたことが、VPNのログ調査で発覚した──。米通信大手のVerizonが1月14日(現地時間)、2012年のケーススタディのこぼれ話としてこんなエピソードを紹介した。同社は企業向けにITコミュニケーションサービスを提供している。

 米国のある重要インフラ企業に勤めていたこの開発者──Verizonは仮にボブとしている──は長年にわたって、自分の仕事を中国瀋陽市にあるコンサルティング企業に低価格でアウトソーシングし、自分は毎日会社に出勤して動画閲覧やFacebookで時間をつぶしていた。皮肉なことに、ボブの人事評価は非常に高く、この会社の最優秀開発者として10万ドル以上の年俸を得ていた。

 ボブの所業は、Verizonの顧客であるこの企業が、VPNのログに不審な点があるとして調査を依頼してきたことから発覚した。この企業は半年前からVerizonのVPNシステムを導入し、アクセスにはRSAの認証デバイスで生成するパスワードを使う二段階認証を採用していた。そのログでは、ボブがオフィスにいる間、中国からVPNにログインしていることになっていた。

 当初はゼロデイ攻撃などによる不正侵入を疑ったが、企業がコンプライアンスのために保存しているボブの作業履歴を調べたところ、上記のような時間つぶしの履歴とともに中国のコンサルティング企業からの多数の請求書(PDF)が見つかった。中国の企業はVPNにログインするために、ボブがFedExで送付した認証デバイスを使っていたという。

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