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「テレビに選び取られなかった事実は、一体誰が伝えるのか」 堀潤さんNHK退職、ネットで発信開始

» 2013年04月01日 21時14分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 堀さんのブロマガ

 「僕は、今日、大好きだったNHKを退職しました」――アナウンサーの堀潤さんが4月1日、NHKを退職したことを、同日開設した「ブロマガ」で明らかにした。今後はブロマガなどを使い、「テレビでは言えない話」を発信していくほか、市民メディア「8bit News」の代表として、一般ユーザーとニュースを作り上げるなど、「やりたかったことをどんどん実践していく」という。

 新たに、ニコニコチャンネル「堀潤『発信は誰にも止められない』」をオープン。チャンネル内にブロマガ「堀潤のテレビでは言えない話」を開設した。ブロマガの最初の記事は、「本日、4月1日午後6時30分をもって、NHKを退職しました。」という見出しだ。

 記事では、NHKでの取材の思い出などを語った上で、「放送で切り取るシーンやコメント一つ一つが非常にデリケートに扱われ、本当に伝えたかった事や、伝えなくてはいけないと思って持ち帰った事実や映像がカットされたり、極めてニュアンスを柔らかくして放送されたりすることもあった」と打ち明ける。

 さらに、「『テレビ局は、情報を選び取る。それが編集権だ。何を選び取るのかは、経験を積んだ一流の放送ジャーナリスト達の手によって行われる』。果たして、そのアプローチは、本当に正しいのだろうか。選び取られなかった事実は、一体だれが伝えるのか? そちらの情報も必要なのではないか? マスコミ不信といわれる現象は、こうした職業メディア人による『行き過ぎた差配』が招いているのではないか」と問題提起。「伝えなくてはいけないことが、沢山ある。伝えられないジレンマを抱えるよりは、新しいメディアの力を信じ、開拓して、発信を続けよう」と決意を表明している。

 読者に対しては、「どうか、皆さんの力も貸して下さい。一緒に、ニュースをつくっていけたら、そんな思いで一杯です。繋がり合い、議論をしながら、新たな発信をつくりあげていきましょう」と呼びかけており、視聴者からの質問や要望を受け付けながら取材を進める「オープンジャーナリズム」を実践する計画。ブロマガで、取材要望や情報提供を受け付ける。

 「堀潤のテレビでは言えない話」の購読料は月額630円。最初のエントリーは無料で読める。堀さんは同日、Webメディア「現代ビジネス」でも、メディアに関する連載を始めている。

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