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「PS4は攻めの姿勢で」 ソニー平井社長、据え置き機市場はデバイス連携で「大きくなっていく」

» 2013年05月22日 21時08分 公開
[ITmedia]

 「PS4はまさしく攻めの姿勢でビジネス拡大を目指す」──ソニーの平井一夫社長は5月22日開いた経営方針説明会で、エレクトロニクスのコア事業の1つに位置付けたゲーム事業について説明した。据え置き型ゲーム専用機の将来性を疑問視する声もある中、年末商戦向けに発売を計画する「プレイステーション 4」(PS4)について「専用機でなくてはお届けできない最高のゲーム体験を提供する」と、PS4投入でさらに同事業を拡大させる考えを示した。

photophoto SCEが公開したティーザー動画のPS4

 12年度のゲーム事業は7071億円の売上高に対し17億円の営業黒字だった。13年度はPS4のローンチイヤーとなるが、PS4は汎用アーキテクチャを採用するなどして「軽いビジネスモデル」になっているといい、12年度並みの営業黒字を見込んでいる。

 PS4は主要スペックについて明らかにしているが、本体デザインなどは6月のE3に合わせて開くカンファレンスで公開されるもようだ。平井社長は「スマートフォンやタブレットでも(ゲーム画面などを)シェアする機能を持ち、PS4を持たないユーザーにもその良さをいち早く知ってもらえるようにする」という。

photo 平井社長

 平井社長は、ゲームなど「インタラクティブエンターテインメント」の市場は今後も大きくなっていくだろうという。家庭用据え置き機市場について、タブレットの登場などで市場環境が変化しつつあることは認識しつつ、「ホームコンソールは演算能力、描写能力に加え、ポータブルデバイスとの連携ハブ、ベースになるものとして、市場は大きくなっていくと考えている」とみる。「コンソール単独とは違うビジネスモデル、違う楽しみ方になるだろうが、それをいかに広げていけるかが成長のドライバーになるだろう」と、スマートフォン/タブレットなど各種デバイスとの連携がカギになってくるという考えを示した。

 米Microsoftが発表した、年内に発売する次世代機「Xbox One」も、「ゲームやテレビ、Skypeなど“エンターテインメントのオールインワン”端末」と、STB(セットトップボックス)的な面を強く打ち出している。

ソフト販売はネットワーク経由へ徐々にシフト

 プレイステーション 3(PS3)は安定した売り上げ・利益を生み出す「キャッシュカウ」(金のなる木)に位置付ける。「PlayStation Vita」は「競争環境が非常に厳しい」(平井社長)が、値下げが販売拡大につながったとして、今後も拡販施策と人気タイトルの投入で売り上げ拡大・利益確保に努めるとしている。

 PlayStation Networkや音楽配信などを含むネットワーク関連サービスの売上高は12年度に1170億円となり、前年度から1.7倍に拡大。9割をゲームが占めているといい、13年度は売上高を12年度の1.5倍に拡大したい考え。ゲームソフト販売は今後、ディスクメディアからネットワーク経由へと徐々に軸足を移していく方針だ。

 ゲーム事業は2014年度に売上高1兆円・営業利益率2%を目指す。

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