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» 2013年08月08日 20時50分 UPDATE

緊急地震速報、過去最大規模の“誤報” 原因は「地震計のノイズの途切れ」

8日夕の緊急地震速報は「過大だった」と気象庁が謝罪。海底地震計で観測したノイズを地震の揺れと誤って計算したことが原因だった。

[岡田有花,ITmedia]
画像 気象庁の会見はニコニコ生放送で中継された。右が橋田俊彦地震火山部長、左が長谷川洋平 地震火山部地震津波監視課長

 気象庁は8月8日、同日午後4時56分ごろに出した、近畿を中心として広い範囲の揺れが起きるとする緊急地震速報は「過大だった」と発表した。原因は、海底地震計で観測したノイズを地震の揺れによるものと誤って計算したこと。8日夕に開いた会見で気象庁の橋田俊彦地震火山部長は、「過大な予想によりみなさまにご迷惑をかけしたことを深くお詫び申し上げます」謝罪し、原因と対策について話した。

 午後4時56分ごろに出た緊急地震速報は、奈良県を震源とした地震が発生し、近畿を中心に関東、甲信越、北陸、東海、中国・四国、伊豆、九州で震度4以上、最大震度7の地震への警戒を求めるものだったが、実際は体に感じる地震は観測されず、結果的に誤報となった。

 予想が過大になった原因は、和歌山県北部で実際に起きたマグニチュード(M)2.3の地震と、三重県南東沖に設置している海底地震計のノイズ異常が重なったことだ。午後4時56分ごろ、和歌山県北部で地震が発生したのとほぼ同時刻、海底地震計の1つで、常時観測していたノイズ約2秒弱途切れた。

 システムは、ノイズが途切れた後、再び検知したノイズを地震の揺れだと誤って観測し、和歌山県北部の揺れと同じ地震が原因だと判断。「大きな地震が原因で、和歌山県北部と三重県南東沖でほぼ同時に揺れた」と解析し、奈良県でM7.8・最大震度7の地震が起きたと「過大な推計」(橋田部長)をしてしまった。


画像 上の2つのグラフが水平動、下のグラフが上下動を示している。下のグラフではノイズが何度か途切れており、最後の大きな途切れが過大な予想につながった
画像 原因となったノイズの途切れが起きたのは、三重県南東沖の海底1000メートルに設置した地震計「東南海3」

 現在は、この地震計を緊急地震速報に使う地震計から外している。ノイズが途切れた原因は調査中。この地震計では、同日午前3時ごろから断続的にノイズが途切れており、機器の故障や通信回線の異常などが考えられるという。再発防止策として、地震計に異常があった場合、即座にその地震計を緊急地震速報用から外す運用を徹底することを挙げた。

 緊急地震速報の誤報はこれまでにも何度かあり、2009年には、プログラムのバグが原因で、千葉県東方沖で起きた地震を過大に評価したこともあった。今回は誤報が出た範囲が関東、甲信越、北陸、東海、伊豆、中国・四国、九州と広範で、過去最大の広さ。新幹線や在来線が一時運転を見合わせるなど、交通機関にも影響が出た。

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 橋田部長は、「大変申し訳なく、こういうことが続くと緊急地震速報の信頼を損ねてしまう」としながらも、「地震が発生し、揺れを観測したことは事実。懸命に再発防止に努めるが、緊急地震速報が鳴った場合はひとまず身の安全を確保していただくことを、なにとぞお願いしたい」と話した。

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