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表現力がすごい歌声・おしゃべりソフトCeVIO Creative Studio製品版で、ささらさんを調教してみた(1/3 ページ)

» 2013年09月25日 16時45分 公開
[松尾公也,ITmedia]

 もう十分うまく歌ってるんだから、それでいいじゃね? と思っていたが、プロの現場だってピッチやタイミングの修正をするのが普通になってる現在、歌ってそのままというわけにもいかんでしょ。調教できなくちゃ。CeVIO Creative Studio

「チェビオ」と読む

 おしゃべり、歌の両方ができる無料版アプリ「CeVIO Creative Studio Free」の製品版が9月26日に発売されるというので、発売前に試してみた。このソフトには、おしゃべりをする3人のキャラクターと、歌えるキャラクターが1人いる。どちらもできるのは、「さとうささら」だけだ。おしゃべり専用キャラは、クールな少女「すずきつづみ」と、男性イケメンキャラ「タカハシ」。

photo

バーチャルシンガー「さとうささら」を調教してみた

 CeVIO Creative Studioに関する詳細は以前書いた記事をお読みいただくとして、まずは、期待のソングトラック「調教」の部分を見ていこう。

 実際にやってみた作例はこちら。荒井由実の「ひこうき雲」だ。別の用途のために作ったカバー曲のオケを流用したものだが、歌唱部分はツールを使ってVOCALOIDやUTAUのファイルを読み込んだものではない。全部、CeVIOの中で作業した。

photo 歌詞のまとめ入力

 無料版ではビブラートのオンオフくらいしかできず、音符の長さ、高さ、歌詞入力以外、やることがない。「調教いらず」でも、人が歌ったような自然な歌声が得られる。

 製品版では、それにさらなる修正を加えることができる。たとえばスラー機能。2つ以上の音符をつなげて歌わせるもの。「あーあー」を「あーーー」のように、母音を分割せずに発音してくれる。音のつながりをはっきり区別するか、スムーズに流すかを決められる。

photo 音符のプロパティでスラーの始まりと終わりを指定すると、その間はスラーになり、スムーズに歌ってくれる

 音高(ピッチ)の調整も可能になった。PIT(ピッチ)ボタンを押すと、音符が置かれたピアノロールの上に、音の高さを示す曲線が描かれる。たいていは音符に沿っているが、音のつながりや、出だしなどで上下しているのがわかるはずだ。そこを、自分で曲線や直線を書き加えることで、細かい修正ができる。例えば「ああー」と音を上げるときに急に上げるか、ゆるやかに上げるか、無料版ではささらさん任せで変更できなかったが、製品版では自分でそのピッチカーブを描ける。

 VOCALOIDのように素の歌に自分で特徴付けをしていくのではなく、実際の歌手が歌っているのを修正していく感じ。Melodyneなどのピッチ補正ツールに近い印象だ。

photo 「ほかの」の頭のところでピッチカーブを急に上げ下げしてみた。1分38秒付近
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