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「カケホーダイ」+「VoLTE」で音声通話の復権を ドコモ夏モデル、国内初のVoLTE対応(1/2 ページ)

» 2014年05月14日 15時54分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 「最高のコミュニケーションを皆さまへ」と書いた書を掲げる加藤社長

 「音声通話を見直してもらいたい」――NTTドコモが5月14日、発表した2014年夏モデル12機種のうち、スマートフォン4機種とタブレット2機種でVoLTEによる通話サービスに対応した。発表会で、同社の加藤薫社長はクリアな音声で通話できるVoLTEの特徴をアピール。6月1日にスタートする通話定額プラン「カケホーダイ」とあわせ、音声通話の利用を活性化させる狙いだ。

VoLTEとカケホーダイで音声ARPU反転へ

 VoLTE(ボルテ)は、従来通話に使っていた3G(回線交換)ではなく、LTE「Xi」ネットワーク上で音声通話サービスを提供。従来の通話に比べて音声周波数帯域が50Hz〜7KHzと広く、高音域をよりクリアに表現できるという。発表会では、3GとVoLTEでそれぞれ通話した女性の音声を再生。3Gではこもっていた声が、VoLTEはクリアに響いていた。

 3Gに切り替える必要がなくなるため、発着信が短時間で行えるようになるほか、音声通話と同時にLTEによるネット利用ができ、テレビ電話「ビデオコール」の画質も上がるという。VoLTE品質の通話を利用するには、かける側も受ける側もVoLTE端末であることが必要だ。

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 夏モデルでVoLTEに対応したのは、4K動画撮影に対応したXperiaのフラグシップモデル「Xperia Z2(SO-03F)」、高速オートフォーカス機能を備えた「GALAXY S5(SC-04F)」、、極細フレーム「EDGEST」を備えた「AQUOS ZETA(SH-04F)」、“スマホ史上最高のATOK”を備えたとうたう「ARROWS NX(F-05F)」の4機種、タブレットは、7インチクラスのLTEタブレットで世界最軽量(233グラム)の「AQUOS Pad(SH-06F)」、10インチクラスで世界最薄の「Xperia Z2 Tablet(SO-05F)」。

 音声ARPUが下落を続ける中で投入したVoLTE。加藤社長は「カケホーダイとクリアなキャリア品質の音声通話を見直してもらい、音声ARPUが下げ止まり、増えていくという方向になればいい。音声通話をテレコミュニケーションの基本的なものとして見直してもらいたい」と期待を込める。

画像 加藤社長(中)と、CMに出演している松坂桃李さん(最左)、堀北真希さん(左から2人目)、渡部謙さん(右から2人目)、石原さとみさん(最右)

 MM総研の調査によると、14年度のスマートフォン出荷台数は前年比3.0%減の2870万台と、2年連続で前年を割る見通しだが、ドコモはスマートフォンの販売台数目標を前年度比10%増の1530万台に設定している。

 加藤社長は、「新料金プランでデバイスを追加しやすくし、若い人に導入しやすい工夫をした。これで需要を掘り起こしたい」と意気込む。新料金スタートにあわせ、家族で2台以上購入した顧客に1万円相当を還元する「ファミリー特割」など割引プランを用意し、既存ユーザーのマルチデバイス化を加速する。

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