レースの前にはピッチタイムがあり、数十社の地元スタートアップが次々に自社のゲームを発表していく。アクションゲームやカーレース、子ども向け知育ゲーム、推理ゲーム、カジノ、ボードゲーム――などジャンルもさまざま。「Angry Birds」「Clash of Clans」に続けと、フィンランドでのモバイルゲーム産業の盛り上がりを肌で感じる。
午後7時、決勝戦がスタート。
ヘルシンキに集った進出チームは、「ITARAMA」(ブラジル、C#/Mono)、「WORKING MINDS」(ブラジル、JavaScript)、「NEED FOR C」(ポーランド、C++)、「SCIENTIFIC METHOD」(スロバキア、C#/Mono)、「FIREEDGE」(ロシア、Java)、「CHE」(ロシア、JavaScript)、「RESOCAR」(フィンランド、C#/Mono)、「FASTBANANATRANSFORM」(ロシア、Python)の8チーム。チーム人数は3人まで、使用言語は問わないという大会規則により、GoogleやFacebookなどに勤めるエンジニアから学生まで多様な顔ぶれだ。
モナコ、ホッケンハイムなど実際のサーキットを再現したコースをバーチャルカーが走る様子を会場中が見つめる。リードしていてもコースアウトやクラッシュでタイムロスがあると、一気に順位は逆転。その度会場からどよめきがおき、スポーツ観戦のようだ。
優勝チームはポーランド「NEED FOR C」。Supercellのイルッカ・パーナネンCEOとヴァルトネンさんから優勝賞金5000ユーロ(約65万円)を含む商品が送られた。2位はブラジル「ITARAMA」、3位は地元フィンランド「RESOCAR」だった。
「NEED FOR C」という印象的な名前のチームメンバーは兄弟2人とその友人の3人。序盤から常に上位をキープしていた彼らだが、「強さの秘密……何度も聞かれるけど分からない、とにかくトップスピードを保つこととカーブのバランスが難しく、直前までひたすら調整していた。世界一という信じられない結果を手にできてうれしい」と興奮気味に話す。「ポーランドは小さい国でIT産業がとても重要。プログラマーは今も地位のある職業だが、さらに魅力を感じて目指す人が増えれば」(トーマス・ズルコフスキーさん)
日本からも数十チームが登録されたようだが、残念ながら予選敗退。「東京はサンフランシスコやベルリンに並ぶ巨大なIT都市、来年はさらに多くのチームに参加してほしい。優秀なプログラマーの参戦を待っている」(ヴァルトネンさん)
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