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デル、「3D描画にも対応する」液晶一体型シンクライアント デュアルコアCPU・独自OS搭載

» 2014年07月07日 18時51分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo Dell Wyse AIO 5212

 デルは7月7日、独自OSを搭載するモニタ一体型シンクライアント製品「Dell Wyse AIO 5212」を8月下旬に発売すると発表した。価格はオープンで、米国での参考価格は600ドル程度。

 2012年に買収したWyse Technologyのシンクライアント端末とデル製モニタを一体化させた製品。独自OS「Dell Wyse ThinOS」の搭載で、汎用OSと比べてローカルアプリケーションやOSのセキュリティ機能を更新しやすくしたほか、APIを公開しないことでセキュリティリスクも抑えているという。

 「Wyse ThinOSは、シンクライアントでよく使われているWindows Enbeddedなどと違って画面転送に特化したOSで、本体容量はわずか6Mバイト程度しかない。そのため起動が10秒程度と非常に速く、セキュリティ性能や管理性が高いのも特徴」とデルの松浦淳氏(クラウド・クライアント・コンピューティング事業部 事業部長)は説明する。

photo 松浦氏

 21.5インチディスプレイ(1920×1080ピクセル)を搭載し、Webカメラとスピーカーを内蔵。モニタ一体型によって省スペース化を実現するほか、接続作業などにかかる初期費用も低減できるという。VGA端子を備え、シンクライアント用途のほか通常のモニタ製品としても使用できる。

 AMD製デュアルコアCPU(1.4GHz)と2Gバイトのフラッシュメモリ/2GバイトRAMを搭載。ネットワークは10/100/1000Base-Tに対応する。処理性能はサーバ側のスペックやネットワーク環境にも依存するものの、シンクライアント側のスペック的には「3Dグラフィックのようなハイパフォーマンスな処理にも十分対応できる」という。

 「Wyseはデルによる買収前にモニタ一体型のシンクライアント製品を出したこともあったが、ディスプレイメーカーではないためコストやパフォーマンスの部分が厳しかった。Wyse AIO 5212は、デルが強みを持つモニタ製品と、シンクライアント向け独自OSで圧倒的なシェアを持つWyse ThinOSを組み合わせたユニークな製品として提供していく」と松浦氏は話している。

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