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「やめといたら?」と言われたが、出してみると大反響 DeNAの“オタク情報”専門アプリ「ハッカドール」が目指す未来(1/4 ページ)

» 2014年10月10日 13時22分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「やめといたら? というツッコミを何度ももらいました」――“オタク”向け情報を配信するニュースアプリ「ハッカドール」を企画したディー・エヌ・エー(DeNA)の岩朝暁彦さんは、当初の社内の反応をこう振り返る。

 ハッカドールは、アニメ・マンガ・ゲームなど“オタク向け”に特化した情報を、ユーザーの好みを学習しながら配信するアプリ。ハッカドールという名の美少女キャラクターが登場し、ユーザーに情報を教えたり、遊び相手になってくれる。

画像 ハッカドールの公式サイトより

 MBA(経営学修士)ホルダーを積極的に雇用するなどスマートなイメージのDeNAと、オタク向けアプリの印象は重なりづらい。実際、社内からは「よく分からない」「DeNAがこんなものを出すとユーザーに叩かれる」など否定的な意見も続出した。

 だが、出してみると大反響。公開から1カ月あまりで数十万ダウンロードを突破し、ユーザーから熱い支持を受けている。

画像 岩朝さん

 企画した岩朝さんは、外資系コンサル出身のMBAホルダーかつ、漫画やライトノベルが大好きなオタクだ。特技は、漫画やラノベがアニメ化するタイミングをほぼ正確に言い当てること。DeNAには昨年入社し、社内の営業改革や、コンテンツ企業にゲーム化を打診するマーケティングなどを手がけてきた。

 「面白い作品がたくさんあるのに、ユーザーに届いていない。このままではコンテンツがマス向けに偏り、業界がしぼんでしまう」――ハッカドールの原点は岩朝さんの危機感だ。コンテンツ市場が伸び悩み、業界全体が保守的になる中で、“尖った”作品が出し続けられる環境を維持し、エンタメ消費を元気にしたいという。

きっかけはコミケ 「面白いコンテンツよ、もっと届け!」

画像 C85のDeNAブースの様子

 開発のきっかけは、「コミックマーケット 85」(2013年冬コミ)への同社の出展だ。Mobageの美少女ゲームのマーケティングや、ゲーム化タイトルを獲得しやすくするための営業、DeNAのイメージの転換などが目的。初参加ながら用意したグッズはすべて配り切り、ゲームのインストール数も急伸するなど大成功を収めた。

 成功を受け、次の夏コミにも出展しようと目論んだものの、開催は翌年の8月。半年以上のブランクがある。その間にも継続的に情報発信できないか――ハッカドールの開発は、そんな流れで始まった。

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