もう1つの注目ブースはカシオ計算機である。同社の独自方式である「PD音源」を再現するタブレットアプリ。プレスリリースは出ていたが、その詳細までは書かれていなかったため、実機を確認してきた。
PD音源は、それまでのアナログシンセに対し、ヤマハがDX7などの「FM音源」、ローランドはD-50、MT-32などの「LA音源」というふうにシンセメーカーが独自の音源をプッシュしていた30年前に、カシオが独自に開発したPhase Distortionという方式。それを最初に搭載したのがCZ-101だ。このシリーズでは冨田勲、難波弘之、高橋幸宏をCMキャラクターとして使ったことでも知られる。
1つ気になっていたのは、これがどのプラットフォームに載るものなのかということ。ブースに置かれた実機はiPadで動いており、現時点ではこれだけだが、担当者に聞くと、最近はレイテンシも改善されたようなのでAndroidへの対応も検討中だという。対応OSが未定となっているのはそのためだったようだ。低レイテンシーを実現したAndroidはSamsungなどの独自実装に限られていたり、すべてのデバイスで使えるというわけにはいかないようだが、期待したいところだ。
CZの音作りは他の音源とはかなり異なるため、リアルな楽器の音をだそうとするとなかなか思い通りにはいかない部分もあるが、出音は独特なので、iPad上で楽しみながら作っていけば面白いことになりそうだ。
担当者によれば、ブースを訪れる人にはCZの実機を持っている人が多いようで、さすが楽器フェアだと実感。
カシオは独自のコード解析技術を生かした「Chordana Tap」「Chordana Viewer」や、チューナー・メトロノーム・レコーダーをまとめた「Music Practice Tool」というアプリをすでに発売しているが、さらに新しいアプリとして、2小節のメロディーから1曲分の作曲ができる「簡単自動作曲アプリ」、音楽を簡単にアレンジして楽しむ「音楽遊びアプリ」を準備中。これもOS未定なのでAndroid対応の可能性もありそうだ。
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