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2015年05月28日 16時51分 UPDATE

過去のイラスト報酬“不払い”問題で騒動 代アニ、漫画家とのトラブルで公式見解

漫画家の松山せいじさんが、「代々木アニメーション学院」から受けた過去のイラスト制作について報酬が未払いだとしてトラブルになったことをTwitterで公表した問題について、同校が「最大限の配慮をさせていただいた」と経緯を説明した。

[ITmedia]
photo 代アニの公式見解

 「エイケン」「ゆりてつ」などの作品で知られる漫画家の松山せいじさんが、出身の専門学校「代々木アニメーション学院」(東京)から受けた過去のイラスト制作について報酬が支払われていないとしてトラブルなった経緯をTwitterで明らかにし、ネットで注目を集めた件について、同校が5月28日、公式サイトで見解を公表した

 同校によると、契約を確認することができず、既に時効にかかっていたためコンプライアンス上は支払いに応じられなかったが、「解決金」名目で同額を支払うことに決めた経緯などを説明。「取り得る最大限の配慮をさせていただいた」としている。

松山さん「やった仕事を無かったことにするのは、漫画家に対しての最大級の侮辱」

photo 松山さん自らまとめたtogetterには37万超のアクセス

 松山さんのツイートによると、2008年5月ごろ、同校の職員からイラストの発注を受け、人物3点を10万円で引き受けた。納品した画像は実際に同校のサイトで公開されるなどして使われたという。

 松山さんは職員から請求書を提出するよう求められたが、「この業界請求書の概念が無く、つい最近まで書き方すら知りませんでした」。契約書なども「あやふや」な業界の慣習に加え、複数の連載を抱えていたなど多忙だったこともあり、「後回し」になっていたという。

 昨年9月になり、職員にメールで連絡したところ、「確認でき次第改めて連絡する」と返信があったが、それから今年4月まで連絡がなかったため、改めて催促すると、別の職員から見積書を求められたものの、「もともと出版社の慣例に従った口約束での仕事なので、そんなものは初めから存在しない。そもそもイラスト作成に見積もりなどしない。家でも建てるのか?」。問い合わせから7カ月放置され、別の職員が間に入ったことで不信感を強めたとして、5月20日にトラブルについてツイートした。

 その後松山さんは、同校から文書で、「契約について確認できない」ものの「解決金」名目で報酬と同額の10万円を支払うことを提案された一方、松山さんが「漫画家育てる学校が、漫画家に仕事のお金払ってくれない」などとツイートしたことに対し抗議を受けたことを、文書の写真付きでTwitterに投稿。「大変ショックを受けた」「やった仕事を無かったことにするのは、漫画家に対しての最大級の侮辱」などとして、一連のツイートを松山さん自らtogetterにまとめ、公開した。

 これを読んだネットユーザーからは賛否両論の声が上がり、松山さんはその後「自分反省すべきところも大量に見え、代々木アニメーション学院の関係各所、および引用元などに多大なご迷惑をおかけしたことを謹んでお詫び申し上げます」と謝罪するツイートを投稿。この1件については終了とした。

代アニ「取り得る最大限の配慮」

 代々木アニメーション学院が岩本信徹 取締役CEO名で公開した公式見解によると、松山さんからの連絡を受けて調査したところ、松山さんがイラストを作成した事実は確認できたが、報酬を支払う契約や支払いの有無までは確認できなかったという。

 税法上の帳簿保存期間である7年間を超えているため帳簿を確認できず(代アニはイラストの発注と作成は9年前の2006年だとしている)、また5年の時効にかかっていることも指摘。(1)確認できない契約、(2)時効──という点から、法人としては「資金管理の面でも、コンプライアンスの面などでも問題が生じる」として「支払いには応じかねるという結論に至らざるを得ませんでした」と説明する。

 だが松山さんは卒業生でもあり、「関係を険悪なものとすることは望むところではありませんでした」として、同額の解決金を支払うことを提案した上、ツイートについて訂正と謝罪を求めたという。「過去の仕事を認めないなどという意図ではなく、取り得る最大限の配慮をさせていただいたものと考えております」。

 同校には厳しい批判も相次いだといい、真摯に受け止め運営に生かすことで「当学院の11万人に及ぶ卒業生や在学生、今後入学される方々の期待に応えるとともに、日本のアニメマンガ業界の発展に寄与できるものと信じていおります」としている。

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