ヤフーは7月27日、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)製品とサービスを結ぶAPIを集約した開発支援プラットフォーム「myThingsプラットフォーム」を発表した。IoTデバイスやWebサービスと連携したさまざまな製品・サービスの開発が可能で、事業者向けに提供していく。同プラットフォームを活用し、一般ユーザーがWebサービスを組み合わせてさまざまな機能を実現できるスマートフォンアプリを公開した。
myThingsに公開されている各種APIを活用することで、事業者は新しい製品やサービスの開発が可能になるという。Yahoo!JAPANが取り組むIoT分野の基盤として他事業者との連携でプラットフォームを拡充し、将来は企業から個人まで利用できるオープン化を目指す。
一般向けにリリースしたスマートフォンアプリ「myThings」(iOS/Android)は同プラットフォームを活用。Yahoo!天気、Yahoo!ショッピングなどYahoo!JAPAN関連サービスのほか、Twitter、Facebook、Gmail、Evernoteなど他社Webサービスも組み合わせ、「予想最高気温が30度を超えたら通知する」「お気に入りのハッシュタグで投稿されたInstagramの画像を集約する」「好きなアーティストやユーザーが動画を投稿したらメールする」──など、条件とアクションを組み合わせてさまざまな機能を実現できる。
サービス開始時点では約30のサービスと製品に対応。今後、シャープのロボット掃除機「COCOROBO」やエアコン、冷蔵庫、スマートフォンでロックできるスマートキー、Pepperやその他ロボットといったデバイスとの連携も予定している。
開発者が自作デバイスとも連携できる仕組み「IDCF Cloud」をヤフー子会社のIDCフロンティアと協力して用意。温度や湿度などの計測データをリアルタイムにクラウドサーバに送信し、SlackやSNS、メールなどで常に確認したり、一定の閾値を越えたらアラートを飛ばすといったことができる。
IoTに初めてチャレンジする人向けに、Raspberry Pi2や温度・湿度センサー、ケーブルなどを同梱した電子工作キット「myThingsをはじめようキット」を8月3日に発売する。myThings連携に特化したドキュメントを公開し、サーバーへのデータの蓄積、呼び出しを簡単なコードでプログラミングできる。
IoT対応製品を作る事業者がAPIを公開し、そのAPIを使った新製品・サービスの開発ができるオープンな開発環境を整えることで、IoT分野全体を盛り上げるのが狙いという。
村上臣執行役員CMOは「海外での類似サービスに『IFTTT』があるが、そちらは開発者やギーク目線のサービス。専門知識なく使えるスマホアプリとしてエンドユーザーに届けることで、より多くの人に生活を便利で楽しくするツールの1つとしてもらえれば」と話し、IoTの概念自体をより一般に広げていければ――と構想を話している。
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