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niconico「クリエイター奨励プログラム」総支払い額は18億7000万円超 全動画対象の年末「大抽選会」で最大20万円“押し付け”(1/2 ページ)

» 2015年10月25日 19時00分 公開
[山崎春奈ITmedia]

 ドワンゴは10月25日、「クリエイター奨励プログラム」の総支払い額が18億7000万円を超えたと公表した。特別企画として本来の申請手続き不要で1年以内に投稿された全動画を対象とする「選抜クリエイター大抽選会」を年内に行い、最大20万円を授与する。

還元額は約4年で18億7000万円 8カ月で5億増

 クリエイター奨励プログラムは、ニコニコ上での創作活動を支援するため、人気度に応じた奨励金を制作者に還元する仕組みとして2011年末に始まった。約4年間の総支払い額は18億7013万6964円(10月時点)、登録作品数は42万6741点(9月時点)となっている。

photo クリエイター奨励プログラム

 奨励金の原資となっているのは、プレミアム会員収入の一部と、動画再生前広告の収益だ。支払い額は今年2月からの8カ月だけで約5億円増加しており、今後も増額のスピードは加速していく見込みという。

 同プログラムを束ねるプラットフォーム事業本部パートナーシップ開発推進部の伴龍一郎さんによると、サラリーマンの平均年収程度を得ているユーザーも「そこそこいる」規模に広がってはいるが、まだまだ認知度が低いことが課題だ。ユーザーごとの収益が公にならないよう配慮していることで、実際にもらえる対価、メリットなどを含めた制度の実態が理解されにくい状況にあるという。

 なるべく多くのユーザーに適正に還元することを目指し、「こんなものがあるなら登録しておこう」と思ってもらうチャンスや、創作に参照した素材をコンテンツツリーに登録する意義の啓発につながれば――と、今回の“無差別”な特別企画の狙いを話す。

「なんか当たったんだけど」 抽選で奨励金を突然“押し付け”

 「選抜クリエイター大抽選会」では、2015年内に個人アカウントから投稿されたすべての動画作品を対象に、総額800万円の奨励金を“押し付ける”クリエイターをユーザー投票と抽選を組み合わせて選出する。通常のクリエイタープログラムと異なり、申請不要ですべてのユーザーを対象とすることで、プログラム自体の認知度を向上させる狙いだ。

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photo ユーザー投票と抽選を組み合わせて選出

 11月前半にプレミアム会員と10月にアクセスした一般会員にポイントを付与し、「ニコニ広告」機能を使って自分の好きな動画、応援したい動画への投票を促す。上位2525人のノミネートを選出したのち、抽選を行い、10人に20万円、200人に1万円分のニコニコポイントを授与する。通常のクリエイター奨励プログラムと同じく、使用楽曲や素材、インスパイア元としてコンテンツツリーに登録している「親作品」にも同額が分配され、親作品が複数登録されている場合は頭割りとなる。

 「ニコニコからユーザーのみなさんへの『年末ジャンボ』のようなイメージ。当たりの宝くじが“押し付けられた”人は『なんか当たったんだけど……(笑)』と話題にしてもらえれば」(伴さん)

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