クラウドファンディング「成立」のその後
「都会のマンションの閉塞感がいやだった」 任天堂出身エンジニアが“4K映像デジタル窓”に込めた思い(1/3 ページ)
いつもの部屋で気分を変えたい。自然を感じたい。全く違う世界を感じたい――壁に置くだけでそんな夢を叶えてくれるアイテムがある。任天堂出身の技術者が中心になって開発した「Atmoph Window」。昨年6月にクラウドファンディングサービス「Makuake」に登場し、目標の100万円を大きく上回る679万円を調達して注目を集めた。
Atmoph Windowは、世界中の数百種類の風景から、好きな景色の動画をスマートフォンで選んで映せる“デジタル窓”だ。映し出す風景は全て4Kカメラで撮影。木の葉の小さな揺れまでを再現し、その場にいるような感覚を得られるという、まるでドラえもんの世界で見た「どこでもドア」のようなアイテムだ。
開発したのは、任天堂出身の技術者が2014年に京都府で立ち上げたスタートアップ・アトモフ。彼らはなぜ任天堂から独立し、Atmoph Windowの開発を始めたのか。クラウドファンディングでの資金調達に至った理由や、プロジェクト成立後の状況は――同社の姜京日(かん・きょうひ)CEOに聞いた。
4K技術の進歩に「起業するなら今」 一念発起で任天堂から独立
アトモフの起業前は、任天堂でハードウェアやweb UIの開発に携わっていた姜さん。Atmoph Windowの構想を思いついたきっかけは、約10年前の実体験にさかのぼるという。
「かつて米国で暮らしていた際、自分の部屋の窓を開けるとすぐ隣にビルがあり、開放感がなくリラックスできないのがとても不満だった。その時から、さまざまな風景を映し出すデジタル窓があったらいいなと思っていた」(姜さん)
そんな思いを抱えながら過ごしていた中、4Kカメラをはじめとする新技術が続々と実用段階に。「起業するなら今だ」――そう感じ、当時勤めていた任天堂を2014年夏に退職。一念発起でAtmoph Windowの開発に着手した。
プロトタイプが完成すると、15年春に米国のクラウドファンディングサービス「Kickstarter」で先行予約販売をスタート。プロダクト開発段階で開発/製造資金が手に入る点に魅力を感じたほか、早期の海外展開を視野に入れていたからだ。
当然、Kickstarterでの支援者の多くは欧米の人々。「資金調達と同時に海外から反応を得られた点はとてもよかった。ただ、やはりページが英語ということもあり、日本の人々からの支援は少なく、日本からの意見も聞きたいと思っていた」(姜さん)。そこでKickstarterでのプロジェクト終了後、日本向けにMakuakeで資金調達プロジェクトをスタート。多くの人々の注目を集め、最終的に679万円の資金を集めた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
クラウドファンディング「成立」のその後
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
経営「AIでラクして早く帰って」→社員「帰らない」 工数最大9割減のDeNAも悩むAI効率化の壁
-
2
「POPOPO」サービス終了 開始から約半年
-
3
メルカリ株が大幅安、1カ月で3割下落 最新ポケカ出品禁止を嫌気、転売・不正利用の批判も相次ぐ
-
4
ドローン攻撃を受けたAWS中東データセンター、半年の復旧作業の末に「一部データは回復不能」
-
5
ドラマ「VIVANT」のワンシーンに映像制作界隈が「ぞっとする」 microSDカードを端子むき出しで手渡し
-
6
Salesforceで大規模障害 「夕方以降に落ちるなんて」阿鼻叫喚 PayPayのフォームにも影響【復旧】
-
7
旅客機並みの巨大通信衛星「スターリンクV3」がもたらすもの
-
8
マンガ原稿をクラウドに上げただけでGoogleアカウントBAN Gmailも道連れ……日本では合法なのになぜ?
-
9
デジタル相に古川俊治氏 AI戦略やサイバー安保も担当 外科医で弁護士、MBAも取得
-
10
“ほったらかしAI動画編集”を「DaVinci Resolve」で試す これが今のベストチョイスかも
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR