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2016年05月26日 11時00分 UPDATE

あなたの知らないプリンタの世界:3Dプリンタは世界を変えるか? 4年に1度の“印刷業界のオリンピック”で占う (1/2)

4年に1度、ドイツで行われる印刷業界の大規模な展示会「drupa」(ドルッパ)。今回の注目はやはり3Dプリンティングです。立体を“プリント”することが当たり前になった未来は、印刷の概念すら変わっているかもしれません。

[霄洋明(日本HP),ITmedia]

 印刷業界のオリンピック、モーターショーと呼ばれる4年に1度の世界最高峰の展示会、「drupa」(ドルッパ)です。ドルッパ、なにか強そうな響きですが一体どのような展示会なのでしょうか。

photo 4年に1度の“印刷業界のオリンピック”「drupa」(ドルッパ)(写真は2012年の様子)

4年に1度の印刷の祭典

 drupaはドイツのメッセ・デュッセルドルフで4年に1度開催する印刷の国際展示会です。1951年の第1回は10カ国527社の出展だったそうですが、半世紀以上経った2016年は50を超える国々から、1800以上の企業が集う規模に成長しています。今年は5月31日から6月10日まで約2週間行われます。

 プロ向け展示会ですから一般の方の入場はありません。入場券は有料で、1日券が6500円、3日券で1万6500円です。有名な遊園地と同じくらいですね。周辺ホテルの宿泊費もとてつもなく高騰します。世界中から印刷業界の人間が集い、日本からも1万人ほどの来場があるそうです。

photo 超広大なdrupaの会場。革靴で参加する人は素人、と思われるくらい広い

 これだけ大きな展示会ですから、会場も約17万5000平方メートルと桁違いの広さです。――と、言われてもピンとこないですよね。有名な日本の展示会場と比べてみると、東京ビッグサイトの東西ホールが合わせて7万2000平方メートル、幕張メッセも同程度の7万2000平方メートル。そしてパシフィコ横浜が2万平方メートル。すべて合計しても16万4000平方メートルです。東京周辺の名だたる展示会場を足したよりも広い、超広大なスペースで行われる印刷の祭典がdrupaです。

photo 展示会を盛り上げるオリジナルソング「drupaソング」も作られている

 遠いドイツの地ですが、日本の有名メーカーも多数出展します。展示規模も大きく、1社で2000平方メートル以上の大型ブースもずらり。印刷機メーカーだけでなく、製紙メーカー、裁断機や製本機などの加工機、ソフトウェアベンダーなども出展します。

 私が所属するHPも相当の気合の入りようです。展示スペースだけでラグビー場と同程度の6200平方メートル、セミナー会場や資材置き場の3500平方メートルを足した9700平方メートルを準備しています。運び込む資材は230トン。象に例えると45頭分にもなります。例えが上手いかどうかは分かりませんが、とにかく、たくさんの物が運び込まれることは伝わったでしょうか?

photo HPの設営風景。スケールが凄い

3Dプリンタは世界を変えるか

 印刷業界のホットなトレンドの1つが、3Dプリンタです。製造業の分野ではプロトタイプ作りや部品の生成、医療の世界では義手や義足のカスタマイズ、ホビーやノベルティ分野ではフィギュア制作――など、原型を削りだすことなくデータから立体がプリントできる3Dプリンタは全業界を巻き込んだ現代の産業革命とも言えます。インターネットを介してメールで立体物が転送できてしまう、まるで漫画の世界が実現しています。

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