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「能」をテクノロジーで拡張する「テク能プロジェクト」電通が始動 ライゾマ演出の「ダリ能」披露へ

» 2016年08月25日 15時07分 公開
[ITmedia]

 電通は8月25日、伝統芸能「能」の可能性をテクノロジーで拡張する「テク能プロジェクト」を立ち上げたと発表した。能と先端テクノロジーを組み合わせ、プレゼンテーションやテレビCMなどさまざまなシーンでの活用を目指す。

画像 プロジェクトのロゴ

 第1弾として、9月13日に国立新美術館で開かれる「ダリ展」開会式(招待者のみ入場可能)で、演能団体「銕仙会」(てっせんかい)による「ダリ能」を披露する。

 ダリ能では、精密機械加工を手掛ける大槇精機が高精度な金属削り出しで新作の能面を制作。メディアテクノロジーを駆使するクリエイター集団・ライゾマティクスアーキテクチャーの齋藤精一氏による映像演出も加わり、「デジタル時代の幽玄美を生み出す」という。

 テレビCMや動画コンテンツへの能の活用、海外訪日客を含む舞台観覧の機会拡大も図る計画。今後もさまざまな企業・団体・クリエイターを巻き込みながら、能の活用に取り組む。

 電通は能について「最高峰の舞台芸能の一つ」だが、国内でも客層や上演機会が限られており、能を使った表現を現代社会で活用するシーンもほぼ見られないのが現状と指摘。テク能プロジェクトを通じ「高尚で難解」という能の固定観念を刷新する狙いだ。

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