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2016年09月06日 12時16分 UPDATE

Adobe、2Dのイラストから「3Dモデル」を作る技術開発 点を打つだけで実現

Adobeが開発中の4つの新技術が、「Adobe MAX Japan」の1コーナー「SNEAK PREVIEW」で初披露された。

[太田智美,ITmedia]

 アドビシステムズは「Adobe MAX Japan」で、開発中の4つのクリエイター向け新技術を初公開した。1つ目は2Dのイラストに点を打つだけで3Dモデルを作る技術、2つ目は写真から“ブラシ”を作る技術、3つ目はビデオや静止画に2Dエフェクトを足すだけで3Dシーンで使えるエフェクトを作る技術、そして4つ目が写真でつぶってしまった目を開く技術だ。


2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術

 「2Dのイラストから3Dモデルを作る技術」は、米Adobe Systemsのテクニカルアーティスト・伊藤大地さんらが作った技術。顔の位置を緑の線で囲み、顔に緑の点を打つ。それらの点を、正面、右横顔、左横顔それぞれで同じ箇所の点とリンクさせ、「3D mesh」ボタンを押せば、3Dモデリングの知識がなくても2Dから3Dキャラクターを生成できるという。


2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 顔の位置を緑の線で囲む

2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 顔に緑の点を打つ

2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 点を打てば打つほどなめらかに

 点と点の間は直線で描かれ、点を多く打てば打つほどなめらかになる。点と点をリンクさせることで3Dモデリングするため、元となる写真の大きさがまちまちでも問題ない。

 イラストだけでなく写真にも適応できる。また、人の顔以外にもハンバーガーや太巻き寿司といった食べ物の3Dモデルも作成できる。


2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 写真もOK

2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 ハンバーガーにも適応可能

2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 写真サイズや画調が違っても大丈夫

 この「点をリンクさせる」発想は、もともと数学が好きだった伊藤さんが昔思い付いたもので、2015年の夏ごろから開発をスタートさせたという。「テクニカルアーティストは、アーティストとリサーチャーのかけ橋。アーティストや一般ユーザーたちの声を聞いて、その人たちが必要とするプログラムを書いたりツールを作ったりするのが仕事になる」(伊藤さん)。


2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 米Adobe Systemsのテクニカルアーティスト 伊藤大地さん

 2つ目の技術は、写真から“ブラシ”を作る技術。好きな写真をクリックすると、その写真の模様がブラシツールとして使える。

 例えば草の写真をクリックすると、その写真に写っている草の模様がそのままブラシツールとして使える。この技術のすごいところは、ブラシの向きを自動で認識、調整してくれること。犬の写真から犬の毛をブラシツールにすれば、毛並みを意識しながら犬の絵が描ける。


2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 写真をクリックしてぐるぐるすると……

2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 こうなる

2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 犬の毛も……

2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 こうなる

 3つ目は、ビデオや静止画に特殊な2Dエフェクトを足すと、3Dシーンで使えるエフェクトを作れる技術。2D動画にこの技術を適用すると、2Dなのに不思議と3Dのように見えてしまうという加工技術だ。例えば、溶岩や煙などが3Dっぽく再現できるという。


2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術

2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 これを……

2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 こうして……

2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 こうじゃ!

2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 煙も3Dっぽい

 そして4つ目が、写真の中でつぶってしまっている目を開く技術。目をつぶってしまっている人の過去の写真から、開いているものを自動で選び出して合成し、色補正、形状認識、角度補正を施して目を開けてくれる。


2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 つぶってしまっている目が……

2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 パッ!

2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 技術詳細

2Dのイラストから「3Dモデル」をつくる技術 閉じた目が開く

 これらの技術はそれぞれ、約3〜5人のプロジェクトチームで開発されているとのこと。ただし今のところ、どの製品に入るかも、そもそも製品に入るかどうかさえも決まっていない。リリース時期も何もかも全てが未定だからこそ、クリエイターたちが妄想を膨らませる楽しみがある。

太田智美

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