「CEATEC JAPAN 2016」(10月4〜7日、千葉・幕張メッセ)で、恐らく最も体を動かすであろう出展内容が、meleapと超人スポーツ協会の「HADO」だ。HMD(ヘッドマウントディスプレイ)とアームセンサーを装着し、現実世界にAR(拡張現実)のエフェクトを重ねた迫力ある映像を見ながらスポーツアトラクションを楽しめるというもの。はやりの“AR体験”といったレベルではない、かなりの本格派だ(なぜなら既に製品版だから)。
ブースに訪れた記者が目にしたのは、プレイヤー同士で対戦する「HADO対人戦」だ。プレイフィールド上で、プレイヤーは腕を前に突き出せばエナジーボールを発射して攻撃でき、腕を下から上に振り上げればバリアを発動、さらには体を動かして飛んでくるエナジーボールをよける――といった動作ができる。まさに子どものころに夢見た、漫画のキャラクターが繰り出す技や魔法の再現だ。
プレイヤーはHMDに挿入したスマートフォンのカメラを通して現実世界を見るが、映像の遅延による酔いなどはあまり感じないそうだ。VR HMDに代表されるようなVR酔いは、映像が動いているにもかかわらず自分は動いていないことによって発生する。HADOはプレイヤー自身が体を常に動かしたり、相手の動きに集中したりするため、酔いが発生しにくいという。
酔いが発生しにくいだけではなく、エナジーボール(攻撃)が自分に向かってくる高い臨場感と没入感、そしてARで表示しているものが実在しているかのように感じられるのも特徴だ。プレイヤーの姿とプレイフィールドは別のカメラで同時に撮影しており、観客はプレイヤーとARエフェクトを重ねた第三者視点の映像を楽しめる。
ゲームのグラフィックス処理や画像認識はスマホ内で行っており、各プレイヤーの位置情報などはスマホと接続したサーバPC(非ハイエンドのノートPC)を用いて同期している。スマホではかなり重い処理を行っているとのことで、発熱は相当シビア。1試合ごとに交換するなど工夫しているという。
HADOはテーマパーク向けなどで既に商業展開されており、長崎県佐世保市のハウステンボスにはアトラクションとして常設されている。HADOのプラットフォームを使ったコンテンツはHADO対人戦の他に、モンスターと戦う「リアルモンスターバトル」や、ゴーカートに乗って対人戦が楽しめる「HADO KART」などがある。
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