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2016年12月16日 10時44分 UPDATE

「キュレーション」がダークサイドに堕ちる前のことを思い出し語りしてみる (1/4)

2009年、情報を選別し送り出す人という意味でキュレーターという呼称を日本で初めて使った。今では「フェイク」と同義のように扱われている「キュレーション」の黎明期を思い起こしてみる。

[松尾公也,ITmedia]

 今、キュレーションという言葉は汚れに汚れ、偽の情報を撒き散らすノイズ、フェイクと認識をされているようだが、元々は全く違うものだった。その経緯をここにまとめておきたい。

 2009年、アイティメディアがスタートしたOneTopiは、特定のテーマに熟知した人がその分野の「キュレーター」となり、ネット上にある情報を選別し、正しいものに注釈・コメントをつけて専用のTwitterアカウントからツイートするというスタイルで始まった。

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 世の中は情報のノイズに溢れており、そこから正しい情報を見つけ出すのが困難な時代に突入している。3.11以降、情報が生死を分けるという認識は強まったものの、マスメディアから出てくる情報にも間違いは多く、専門知識を持った人たちが正しい情報を選別し、伝えていく必要を感じていた。そして、その媒体としてはTwitterが適していると考えた。

 その情報選別をする人にキュレーターという名前をつけたのはぼくだ。細野不二彦の「ギャラリーフェイク」という大好きなマンガに登場するキュレーター、藤田玲司をモデルにした。藤田は贋作専門ギャラリーのオーナーではあるが、ニューヨークのメトロポリタン美術館の敏腕キュレーターだった。真贋を見極める知識・技術を持ち、様々な問題を解決していく。

 藤田の持つ真贋を見極める能力にあやかって、情報の海を渡っていく、そんな意味を込めて「キュレーター」と名付けた。

 ぼく自身はApple関係、音楽情報、妻が発病し詳しく調べていた乳がんなどを担当。地震、ディズニー、セキュリティなどのトピックで専門性を持ち、今なお情報発信を続けている人も多い。

 そこで使った「キュレーション」という言葉が今ではほとんど偽情報と同義なものとして伝わっている。ギャラリーフェイクから発想したとはいえ、「フェイク」に成り下がってしまったのは非常に残念だ。

 2013年、道半ばで終了したOneTopiのそもそもの発想や、当時の競合サイト、考えていたことをまとめておくことで、現状を分析し、今後につなげていくお役に少しでも立てればと思う。

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