Apple純正のフルワイヤレスイヤフォンであるAirPodsの「マイク」について調べてみた。
AirPodsのマイクを使えるアプリは非常に限定されていて、純正の電話アプリとSiri以外にはほとんどない。例えばAppleの音楽制作アプリであるGarageBandでも、マイクとして使うことができず、AirPodsを使って録音をしたつもりになって「AirPodsのマイクいいぜ」と触れ回っていたのが、実はiPhoneの内蔵マイクで録音されていただけと後で判明した例もある(自分だ)。
ではAirPodsの本当の音質はどうなんだろうといろいろ調べてみると、Instant Rec(App Storeへのリンク)という360円の有料アプリを使うとBluetoothを含む様々な経路のマイクロフォンを使い分けられることが分かった。このアプリには無料版もあるので、AirPodsを持っている人は試してみるといいだろう。
比較してみたのはAirPods内蔵マイク、Lightning端子経由のEarPodsヘッドセットマイク、iPhone 7 Plusの内蔵マイク前面、iPhone 7 Plusの内蔵マイク背面、iPhone 7 Plusの内蔵マイク下部の5種類だ。iPhone 7 Plusは口元から50センチくらい離して手持ちした状態で録音した。
Instant Recアプリを使い、実際に5種類のマイクを使い分けた録音例がこちらだ。
結果から言うと録音品質が最も高かったのはiPhone 7 Plusの内蔵マイク前面、僅差で下部、背面マイクの順番だ。録音品質を追求するのならiPhoneの内蔵マイクを使うのがベストだろう。
EarPodsヘッドセットマイクの場合はイヤフォンケーブルが服に触れてシャリシャリ音がノイズとして入ってしまい品質をスポイルしている。録音レベルが小さいのも難点の1つだ。
ではAirPodsのマイク品質はどうかというと、がっかりなことに音質面で言うと1番低い。AMラジオ品質だ。ただしノイズは1番少ない。EarPodsのマイクがノイズを拾いやすいのと比べると段違いだし、iPhone内蔵マイクが3つのマイクを駆使してノイズキャンセリングしているのと比べても、ノイズ軽減では優れている。
AirPodマイクはBluetooth経由なのでレイテンシーも発生するし、マイクとして使うメリットは少ないかもしれない。AppleのAirPodsページでも、マイクのノイズは取り除かれると書かれているけど、音質がいいとは記述していない。
いま注文しても届くのは2月末という人気商品のAirPods。そのマイク機能を使えるアプリが増えてくるのはこれからだろうか。現時点でAirPods対応をうたうiPhoneアプリは存在しない。とりあえずは、人混みの中でも自分の音声を記録できるよう純正の「ボイスメモ」あたりから対応してほしいものだ。
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