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2017年02月23日 08時00分 UPDATE

“中の人”が明かすパソコン裏話:ペーパーレス化が進んでプリンタは不要になる!? 今や欠かせないデジタル印刷の可能性 (1/2)

メーカーの中の人だからこそ知っている“PCづくりの裏話”を明かすこの連載。今回はプリンタとペーパーレス化について考えます。

[白木智幸(日本HP),ITmedia]

 こんにちは、日本HPでPCの製品企画を担当している白木智幸です。この連載では、PCの周辺機器やPCパーツ、機構の仕組みなど、普段は脇役ともいえる部分に光を当て、それらの素晴らしさや製品を選ぶときに気を付けたいポイントを紹介してきました。

 今回は、プリンタとペーパーレスの関係に着目したいと思います。私の所属する企業では、PCとともにプリンタも製造・販売していますが、一方で“ペーパーレス”という考え方が世間に浸透し、「紙はなんとなく古くて効率が悪いから、印刷物を減らすことで業務の効率化を図ろう」という声をよく耳にするようになりました。スマートフォンやタブレットの普及も要因の1つとして考えられるでしょう。

 このままいくと、将来的には紙やプリンタは不要になる……そんな世界が来るのでしょうか。

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ペーパーレス化のメリットとデメリット

 ペーパーレス化により、電子的にデータを保存すると情報の共有や移動が容易になります。保管場所が少なくても、大量の情報を格納できるのはデジタルならではの大きな利点です。

 契約書や領収書などの公的書類についても、電子帳簿保存法の改正に伴い、今後は電子化が進む可能性があります。政府が取り組んでいる“働き方改革”では、避けては通れないリモートワークや自宅勤務においても、データの電子化がほぼ必須です。

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 もし、仕事に必要な書類が全てキャビネットにファイリングされている会社だったら、ファイルやデータが必要になるたびオフィスに行く羽目に……これでは働き方改革の考え方とは遠いものになってしまいます。

 しかし、全てをペーパーレス化することが最適であるとも限らないようです。

 例えば、医療現場では何年も前から電子カルテの導入が進んでいます。患者さんの診察結果をPCからその場で入力。必要な薬もそこから選択していくだけという環境が出来上がっています。

 しかし、機動性が求められる場合など、紙のカルテが利用されるケースもいまだにあります。紙のカルテであっても、QRコードやバーコードが記載されており、後でスキャンして電子カルテに取り込めるように工夫されていたりするのです。

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 診察が終わると、診療報酬明細や領収書、処方箋などが紙に印刷されて渡されるわけですが、今どきは処方箋にQRコードが記載されていることがあります。薬局では、このQRコードをスキャンして情報をPCに読み取り、最後に薬の情報と領収書を印刷して患者さんに手渡します。このように、現場によってはデジタルと紙を行ったり来たりするようなプロセスになっているのです。

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