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2017年03月03日 16時14分 UPDATE

「青々とした緑」? 青と緑は歴史の中で“分離”した――東北大など調査

「青々とした緑」など日本語における青と緑の混用は平安時代から続いているという。

[ITmedia]

 東北大学電気通信研究所はこのほど、色名に関する調査結果を発表した。日本語では「青々とした緑」など青と緑を混用することがあるが、これは平安時代から続いていたことが判明。現代では一部の用例を除いて青と緑は別名で呼ばれており、言語発達の過程で「混合した1つのカテゴリーから別々に分離してきた」という。

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 同大と東京工業大学、オハイオ州立大学などとの共同研究。

 人間の視覚は100万もの色の違いを見分けられると言われているが、言葉として使われる色名は「赤」「緑」「青」「黄」など少数に限られている。これらの色名は言語の発達とともに変化してきたという。

 日本語を母国語とする57人の実験参加者に330の色見本を見せ、「赤」「黄」「緑」など単一の色名(「黄緑」「薄紫」などは禁止)で色名を呼んでもらい、統計的に解析した。

 その結果、日本語話者は赤、緑、青、黄、紫、ピンク、茶、オレンジ、白、灰、黒の11の基本色に、水(色)、肌(色)、抹茶、黄土、えんじ、山吹、クリームの8つを加えた19の色カテゴリーがあることが分かったという。中でも水(色)は98%の実験参加者が使用し、基本色カテゴリーの12番目の色名の強力な候補になり得るという。

 30年前に行われた先行研究では、水(色)は基本色に含まれないと結論づけられていた。同一の色サンプルに対して青と水(色)を区別なく使う参加者が多かったためだ。また、先行研究では黄緑を指す「草(色)」が頻繁に使われていたが、今回の研究では「抹茶」に置き換えられおり、色名の語彙は時間とともに変化することが示されたとしている。

 一方で、長く変化していないものの1つが「青」と「緑」の混用という。今回、平安以前の日本の和歌における青と緑の用法を調べたところ、「あお」(あを)も「みどり」もそれぞれ、青・緑のもの両方に用いられていた。現代日本では信号機や若葉、野菜などを指して「青」と呼ぶことはあるが、これ以外の場合は青と緑は明らかに区別されている。

 「青と緑が混合した1つのカテゴリーから別々のカテゴリーに分離する過程は、世界中の言語が発達途上で必ず経過するポイントと考えられている」という。今回の研究では、「現代日本語では青と緑が異なる色カテゴリーであることを示しただけでなく、青と緑にまたがく明度の高い領域に水(色)のカテゴリーが過去30年で加わったことを示した」としている。

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