ファン層の幅が広いのはメリットであると同時に、いろいろな見方をするファンが多いということでもある。人気作品とのコラボともなれば、下手に扱って反感を買い、イメージダウンにつながることもある。原作ファンが望まない派生作品の創作などは、ファンから“原作レイプ”と呼ばれることもある。
「よかれと思ってやったことが実はファンを怒らせる。以前、『シュタインズ・ゲート』というアニメ作品とコラボしたときも、本当に“シュタゲ”好きなIBMの若い研究員をプロジェクトチームに入れて、研究者視点から実際に可能性があるテクノロジーをもとにしてオリジナルストーリーを作った。日本IBM側が、『これをアピールしたいから、これを入れて』といった指示は一切しない。それがあるとお客さんは引いてしまう」(山口部長)
SAOのイベントでは、会場スタッフが来場したファンと話す際の単語集まで作ったという。山口部長は、スタッフ陣にも“クレイジー”なファンが多く、そんな人たちがプロジェクトに携わったことが成功の要因として大きいと話す。
「コンテンツマーケティングは、『(うちの会社の)これ、いいだろう!』ではなく、提示したストーリーの中で『実はこれすげーいいじゃん』と気付かせる環境を作れるかが重要。いかにユーザー目線のストーリーを作るか。これはマーケター全体の課題だと思っている。特にオタクワールドでは、原作リスペクトがすごく大事。これができていないと失敗する」(山口部長)
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