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Appleが中国にiCloud用データセンターを開設へ ユーザーのプライバシーは守られる?(1/2 ページ)

» 2017年07月13日 17時02分 公開
[AP通信]

 米Appleが中国政府と連携し、中国本土にデータセンターを開設することが明らかとなった。この発表を受け、中国国内においてiPhoneやiPad、Macから送信された個人データを保存する「iCloud」アカウントのセキュリティに対する懸念が広がっている。

 7月12日の発表によると、このデータセンターは中国貴州省に設置され、中国政府の保有企業であるGuizhou on the Cloud Big Dataが運営を担う。Appleはこの企業と提携し、中国で新たに施行された法律への対応を図りたい考えだ。この法律は、クラウドストレージの提供業者に対し、中国本土で収集した顧客データを中国国内に設置したサーバに保存するよう義務付けている。

photo 北京のApple Store(AP Photo/Ng Han Guan)

 貴州省のデータセンターには、中国本土のAppleユーザーがiCloudアカウントにアップロードした写真や動画、文書など、各種の個人情報が保存されることになる。対象となるユーザーが国外滞在中にアップロードしたデータも、保存の対象となる。中国国外のユーザーがiCloudアカウントに保存したデータやバックアップは引き続き米国のデータセンターに保存され、いずれはデンマークのデータセンターにも保存されることになっている。

 既にAmazonやMicrosoft、IBMなどの大手ITも中国政府と良好な関係を築くべく、中国本土でデータセンターを運営するための同様の契約を締結している。

 だがAppleの黙従はある意味印象的だ。同社のティム・クックCEOはかねてより、ユーザーのプライバシーの保護を会社の基本理念に掲げているからだ。Appleは2016年には、銃乱射事件の容疑者が使っていたiPhoneのロック解除への協力をめぐり、裁判所命令を拒否。政府と真っ向から対立し、注目を集めた。

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