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» 2018年03月05日 09時00分 公開

「ラジオもビッグデータの時代」 radikoの生き残り戦略

Alexaスキル人気ランキングで1位を獲得した「radiko.jp」。radikoの坂谷温さんはラジオ視聴と相性のいいスマートスピーカーに期待を寄せている。

[村上万純,ITmedia]

 「若者のテレビ離れ」が叫ばれて久しいが、ラジオ業界も若者を中心に新規ユーザー獲得に苦心している。ラジオのネット配信サービス「radiko.jp」を運営するradikoの坂谷温(さかやゆたか)業務推進室長は、「ラジオ業界でもビッグデータが大事になってきた」と話す。

坂谷さん ラジオのネット配信サービス「radiko.jp」を運営するradikoの坂谷温(さかやゆたか)業務推進室長

 1月18日には、スマートスピーカー「Amazon Echo」シリーズで利用できる機能「スキル」の12月のランキングで1位に選ばれたradiko.jp。

 同社はこれからのラジオ業界をどう生き抜いていくのか。radiko.jpでのデータ活用や、スマートスピーカーに寄せる期待などについて聞いた。

ラジコ radiko.jp

ラジオもビッグデータの時代に

 radiko.jpは2010年にサービスを開始。現在は91局のラジオ局と提携し、PC、スマートフォン、スマートスピーカー経由で46都道府県に番組を配信。主なユーザーは40〜50代のサラリーマンという。利用の8割がスマホ経由だ。

 期間限定で聴き逃した番組を視聴できる「タイムフリー」や、日本全国のラジオ局が聴き放題になる「エリアフリー」(有料、月額350円/税別)などさまざまな機能を追加してきたが、坂谷室長は「大量のデータを集め、レコメンド機能などのユーザーフレンドリーな機能を拡充したい」と話す。

ラジオ エリアフリー
ラジオ タイムフリー

 例えばスマートスピーカーでは、「TBSラジオをつけて」など、特定の局の名前や番組名を言うことで配信が始まるが、ラジオに親しんでないユーザーにはややハードルが高かった。これを「福山雅治さんが出ている番組を聴きたい」「お笑いで何か面白いものない?」など、より自由度の高い形で利用できるようにしていくという。

 その実現には、番組データやジャンルを提供してくれる各ラジオ局との連携はもちろん、番組名、出演者、放送時間などにメタタグを付けてデータベース化する作業が必要になる。「福山雅治」といった人物名だけでなく、「お笑い」「音楽」などのジャンルや、「リラックス」「楽しい」などムード別の分類なども考えているという。ゆくゆくは音声をテキスト化し、出演者のせりふからも番組を見つけ出せるような仕組みを整える考えだ。

 しかし、これらの作業には膨大な手間がかかる。radikoの正社員は7人ほどなので、「タグ付けとデータベース化は自動化していきたい」(坂谷室長)。

 今後はユーザーに利用許可を得た上で、どんな番組を視聴し、どんな楽曲を聴いているかなどの聴取行動データを取得し、個人に合わせてレコメンドする機能も提供していく。ユーザーの操作を極力減らすことで、これまでラジオになじみのなかった新規層にまで間口を広げる狙いだ。

 裾野を広げるという意味で、音声を流しっぱなしにできるスマートスピーカーにも期待を寄せている。「ラジオ全体の総量でいうと、まだスマートスピーカーは伸びる余地がある市場」(坂谷室長)

 スマートスピーカー向けに、有料会員向けサービスのエリアフリーは18年中に実装できるよう進めるという。米Appleが米国で投入予定の「Homepod」についても、「(日本国内で発売されるなら)ぜひご一緒させていただきたい」と前向きだ。

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