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» 2018年07月09日 08時00分 公開

“中の人”が明かすパソコン裏話 MR特集(2):オフィスワークで「VR」は使えるのか? Windows MRで「Office」試してみた (1/2)

メーカーの中の人だからこそ知っている“PCづくりの裏話”を明かすこの連載。前回に引き続き「Windows MR」を紹介。今回は自宅のノートPCで試してみました。

[白木智幸(日本HP),ITmedia]

 皆さんこんにちは、日本HPでPCの製品企画を担当している白木智幸です。前回の「Windows 10で使える『Windows MR』って何ができるの?」に引き続き、特集第2弾として「日常の仕事でWindows MRはどこまで使えるのか」という観点からチェックしましょう。

photo Mixed Realityヘッドセットとコントローラー×2個

 今回は、私が普段から家で使っている普通のノートPCでWindows MRを試します。CPUはモバイル向けの第7世代Core i5-7200Uで、CPU内蔵グラフィックスとなります。ゲーミングPCと比べれば性能は心もとないのですが、Windows MRが動作する最低要件は満たしています。仕事でこのクラスのCPUを搭載したPC使っている方も多いかと思いますので、このスペックでどういった体験ができるのか参考になればと思います。

photo Windows MRに必要なスペックの最低要件(左)。「Windows Mixed Reality PC ハードウェア ガイドライン」より引用
photo 第7世代Core i5-7200Uを搭載するごく普通のノートPC。ゲーミングノートPCではありません

photo HDMIポートとUSB3.0ポートが隣り合わせで装備されていると接続しやすい

 前回紹介した通り、Windows 10はOS標準でMRに対応しています。Mixed RealityヘッドセットをHDMIとUSBでノートPCに接続すれば、自動的に「Mixed Reallityポータル」が表示されます。ここではさまざまな設定が行える他、Windows MRを動かす上でのPCスペック評価も見られます。

 結果を見ると、CPUとグラフィックスにビックリマークが表示されており、ギリギリのスペックであることが分かります。今回はこのまま進めていきます。

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 早速、VR(MR)を楽しもうとセットアップを始めたのですが、ここで会社では遭遇することのなかった問題に直面することになります。

 「部屋が狭い(´・ω・`)

 Windows MRは、ヘッドセットに搭載された2つのセンサーカメラでユーザーの動きや周囲の状況を認識できます。よって最初に部屋の大きさをセットアップできるのですが、その領域が狭すぎるとやり直しが求められます。

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 オフィスは広かったので気にもしなかったのですが、荷物がある6畳の部屋では厳しいという現実……。荷物や家具を少し片付けて、部屋の壁ギリギリに領域を広げることでなんとかクリアできました。

 もちろん座って使うというオプションも選択できますし、ノートPCなら広い部屋に移動してしまう手も使えます。

 さて、実際にヘッドセットを装着すると、ちょうどPCのデスクトップを「家」の間取りに模したような空間が目の前に現れます。これはスマートフォンで言うところのホーム画面、PCではデスクトップ画面に相当すると考えてください。まさにバーチャル空間のホームから体験が始まります。最初はVRアプリやVRコンテンツを楽しむことに意識が向きがちですが、この空間にいるだけでも心地よく感じます。

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 ふと手元を見ると、リアル世界でデスクに置いていたコントローラーがVR空間に浮いています。手を伸ばすと本当にその位置にコントローラーがあり、手に取ることができる。このあたりは当たり前といえばそれまでですが、最初にこのVR空間へ入ったときにはちょっとした驚きがありました。

 部屋の中を探索すると、ウィンドウが壁面に表示されています。この空間で各アプリを開くとウィンドウが空中に浮いた状態で表示されるのですが、それを壁に貼り付けることもできます。例えばWebブラウザを使えば、さまざまなWebサイトを大画面で見られます。

photo Mixed Reality上のブラウザの画面

 URLの部分にコントローラーを向けてトリガーを引くと、ソフトウェアキーボードが表示されるので、「狙ってはトリガー、狙ってトリガー」と二丁拳銃のごとく文字を入力ます。両手を使うので、慣れたユーザーであればフリック入力と同じように高速入力できるようになるかもしれません。

 ヘッドフォンを接続していればもちろん音声も聞こえるのですが、面白いことにVRの中で音が鳴っている方向からちゃんと音声が聞こえるサラウンド空間がしっかりと表現されています。左右に首を振ってみると音が聞こえる方向がちゃんと変わり、音源から離れれば音も遠ざかるのです。ちょっとしたことですが、こういった細やかな表現が没入感を高める要因となっています。

 部屋の奥の方に進むと、大画面で映画などを見られるシアタールームがありました。こんなに広いシアタールームを現実で持つことはなかなかないので、何気ない動画コンテンツを鑑賞するだけでも十分楽しめると感じます。

photo Mixed Reality上のシアタールーム

 他にもVR空間上に家具を配置したり、バレリーナやスペースシャトルのようなサンプルモデルを空間に登場させたりできます。単純にこの空間でいろいろ楽しんでいるだけで、VR上の操作に慣れることができるでしょう。

photo バレリーナやスペースシャトルなどを配置して、拡大したり縮小したり、VR空間の操作練習にもなる
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